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9月末時点での日本国債の保有者

久保田博幸金融アナリスト
日銀の資金循環統計のデータを基に作成

日銀は12月19日に資金循環統計(7~9月期速報値)を発表した。これによると個人の金融資産は9月末時点で約1752兆円となり、6月末の約1746兆円から増加した。個人の金融資産の内訳は「現金・預金」が前年比1.4%増の約916兆円、「株式等」が同2.2%減の約150兆円、「投資信託」は3.3%減の約88兆円となっていた。9月末時点ではまだ株価は低迷しており、ドル円も100円台前半あたりでのもみ合いとなっていた。

この資金循環統計を基に国債(短期債除く)の保有者別の内訳を算出してみた。残高トップの日銀の国債保有残高は356兆7709億円となり、36.7%のシェアとなった。前期比(確定値)からは11兆9024億円の増加。残高2位の保険・年金基金は242兆5272億円(25.0%)、8兆4345億円減。残高3位は預金取扱機関(都銀や地銀など)で214兆9649億円(22.1%)、11兆4405億円減。4位が海外投資家で55兆921億円(5.7%)、4856億円増。5位が公的年金の51兆262億円(5.3%)、1兆6391億円減。6位が家計の13兆2925億円(1.4%)、6871億円減。その他が37兆4167億円(3.9%)、6兆4728億円減となっていた。

2016年6月末(確報値)に比べ、国債(短期債除く)の残高は約16兆円現象し、約971兆円となった。

6月末(確報値)に比べて大きく増加したのは、国債を買い入れている日銀で約12兆円の増加となった。あとの増加は海外の4856億円増だけで、他の業態は減少していた。6月末に比べて大きく減少したのが生命保険の約6.2兆円減、国内銀行の約5.9円減、中小企業金融機関等(ゆうちょ銀行含む)の約5.6兆円減となった。

日銀は1月29日にマイナス金利政策を導入し、2月9日には10年債利回りもマイナスとなり、7月にはマイナス0.3%まで低下していた。その後もマイナス金利は継続していた。このマイナス金利に対して金融界からその弊害も指摘された。金融機関はこの間、マイナス金利の影響も加わって国債の保有残高を減少させていたものとみられる。日銀は9月21日の金融政策決定会合において総括的な検証を行った上で、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」と名付けられた金融政策の新しい枠組みの導入を決定した。これはマイナス金利政策による国債金利に与える影響の修正を意味した。

短期債を含めた国債全体の数字でみると残高は約1091兆円となり、日銀が約413兆円で37.9%のシェアとなっていた。そして海外勢の残高は約112兆円と短期債を含めると国債全体の10.3%のシェアとなっていた。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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