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藤井聡太棋聖への挑戦権をかけ強豪が激突――第95期ヒューリック杯棋聖戦準決勝展望

古作登大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員
2020年から4連覇中の藤井聡太棋聖(筆者撮影)

 藤井聡太棋聖(21)=八冠への挑戦者を決める第95期ヒューリック杯棋聖戦(産経新聞社主催)は本戦準決勝、永瀬拓矢九段(31)-山崎隆之八段(43)戦が4月16日に東京都渋谷区「将棋会館」で行われる。もう一局の準決勝、佐藤天彦九段(36)-佐々木大地七段(28)戦とともに挑戦権の行方と展開を、データを基に予想してみた。

一昨年の挑戦者永瀬九段が有力

 一昨年の挑戦者永瀬九段と昨年の挑戦者佐々木七段は昨年に続いてのベスト4進出で安定感十分。それぞれの対戦成績と最近10局の勝敗は以下のとおり。

<佐藤九段の対戦成績と最近10局>

対永瀬九段 5勝8敗

対山崎八段 5勝6敗

対佐々木七段 3勝0敗

最近10局 6勝4敗

<永瀬九段の対戦成績と最近10局>

対佐藤九段 8勝5敗

対山崎八段 9勝3敗

対佐々木七段 2勝2敗

最近10局 8勝2敗

<山崎八段の対戦成績と最近10局>

対佐藤九段 6勝5敗

対永瀬九段 3勝9敗

対佐々木七段 0勝3敗

最近10局 7勝3敗

<佐々木七段の対戦成績と最近10局>

対佐藤九段 0勝3敗

対永瀬九段 2勝2敗

対山崎八段 3勝0敗

最近10局 8勝2敗

 過去の対戦成績は永瀬九段が佐々木七段以外には勝ち越しており、直近も8勝2敗と順調で挑戦権争いではやや優位に立っている。

 昨年藤井棋聖に挑戦し1勝を挙げた佐々木七段も直近8勝2敗で連続挑戦に向け勢いは衰えていないが、準決勝の相手佐藤九段に相性の悪いのがマイナス材料だ。

 注目材料としては振り飛車党への棋風転換をきっかけに佐藤九段が久々にタイトル戦登場の可能性もあると見ている。

佐藤九段の振り飛車に注目

 永瀬九段-山崎八段戦は永瀬九段先手ならば角換わりが本命で対抗が相掛かり、山崎八段先手なら相掛かりを志向することが予想される。定跡にこだわらず力戦型を好む山崎八段が独自の序盤作戦を披露するだろう。

 佐藤九段-佐々木七段戦は先後に関わらず佐藤九段が三間飛車か四間飛車を用い、佐々木七段が居飛車で対抗する可能性が高いだろう。佐々木七段の振り飛車対策は急戦から居飛車穴熊を軸とした持久戦まで多彩で、どの作戦を選ぶかは展開次第だ。

 トップ棋士の多くが居飛車党で占める棋界の中で、昨年秋から振り飛車を多く採用(相手が振り飛車党の時は居飛車)するようになった佐藤九段がどのような指し回しを見せるか注目だ。

大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員

1963年生まれ。東京都出身。早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修卒業。1982年大学生の時に日本将棋連盟新進棋士奨励会に1級で入会、同期に羽生善治、森内俊之ら。三段まで進み、退会後毎日コミュニケーションズ(現・マイナビ)に入社、1996年~2002年「週刊将棋」編集長。のち囲碁書籍編集長、ネット事業課長を経て退職。NHK・BS2「囲碁・将棋ウィークリー」司会(1996年~1998年)。2008年から大阪商業大学アミューズメント産業研究所で囲碁・将棋を中心とした頭脳スポーツ、遊戯史研究に従事。大阪商業大学公共学部助教(2018年~)。趣味は将棋、囲碁、テニス、ゴルフ、スキューバダイビング。

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