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藤井聡太名人連覇か、豊島将之九段5年ぶり復位なるか――第82期名人戦七番勝負展望

古作登大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員
挑戦者の豊島将之九段は2019年度に名人獲得の実績を持つ(筆者撮影)

 藤井聡太名人(21)=八冠に豊島将之九段(33)が挑戦する第82期名人戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)七番勝負は4月10日開幕する。勝敗と展開を、データを基に予想してみた。

<第82期名人戦七番勝負日程>

第1局 4月10、11日 東京都文京区「ホテル椿山荘東京」

第2局 4月23、24日 千葉県成田市「成田山 新勝寺」

第3局 5月8、9日 東京都大田区「羽田空港第1ターミナル」

第4局 5月18、19日 大分県別府市「割烹旅館もみや」

第5局 5月26、27日 北海道紋別市「ホテルオホーツクパレス」

第6局 6月11、12日 愛知県名古屋市「亀岳林 万松寺」

第7局 6月25、26日 山形県天童市「天童ホテル」

藤井名人から11勝をあげている豊島九段の序盤戦略に注目

<藤井名人の最近10局>(相手の肩書きは対局当時)

2月2日 NHK杯本戦準決勝

対羽生善治九段 ○

2月4日 棋王戦コナミグループ杯五番勝負第1局

対伊藤匠七段 持将棋

2月7、8日 ALSOK杯王将戦七番勝負第4局

対菅井竜也八段 ○

2月10日 朝日杯将棋オープン戦準決勝

対糸谷哲郎八段 ○

2月10日 朝日杯将棋オープン戦決勝

対永瀬拓矢九段 ●

2月12日 NHK杯本戦決勝

対佐々木勇気八段 ●

2月24日 棋王戦コナミグループ杯五番勝負第2局

対伊藤七段 ○

3月3日 棋王戦コナミグループ杯五番勝負第3局

対伊藤七段 ○

3月17日 棋王戦コナミグループ杯五番勝負第4局

対伊藤七段 ○

4月7日 叡王戦五番勝負第1局

対伊藤七段 ○

<豊島九段の最近10局>

12月18日 叡王戦予選

対羽生善治九段 ●

1月13日 朝日杯将棋オープン戦本戦

対佐々木勇気八段 ○

1月13日 朝日杯将棋オープン戦本戦

対永瀬拓矢九段 ●

1月19日 順位戦A級

対広瀬章人九段 ●

1月25日 竜王戦1組出場者決定戦

対斎藤慎太郎八段 ●

1月31日 順位戦A級

対斎藤八段 ●

2月13日 伊藤園お~いお茶杯王位戦リーグ紅組

対佐々木大地七段 ●

2月29日 順位戦A級

対菅井竜也八段 ○

3月6日 伊藤園お~いお茶杯王位戦リーグ紅組

対斎藤八段 ○

4月2日 伊藤園お~いお茶杯王位戦リーグ紅組

対藤本渚五段 ●

 藤井名人の直近10局は7勝2敗1持将棋と順調。対照的に挑戦者の豊島九段は3勝7敗と黒星が先行している。ただし直接対決は過去33戦して藤井名人の22勝11敗(1千日手)。棋士の中で藤井名人に対して最も多く勝ち星を挙げているのは豊島九段だから、今回の七番勝負も序盤でリードする流れになれば接戦になるはずだ。

 戦型は藤井名人先手なら角換わりを志向する可能性が高いだろうが、昨年から豊島九段が公式戦で時折試みている振り飛車を採用する可能性もあり序盤から目が離せない。

 豊島九段先手の場合は相掛かり、矢倉、角換わりといった相居飛車志向が予想される。

 データから見ると藤井名人優位は明らかだが、豊島九段も2019年度に令和初の「竜王・名人」の偉業を達成した大棋士。歴史に残る七番勝負になることを期待している。

大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員

1963年生まれ。東京都出身。早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修卒業。1982年大学生の時に日本将棋連盟新進棋士奨励会に1級で入会、同期に羽生善治、森内俊之ら。三段まで進み、退会後毎日コミュニケーションズ(現・マイナビ)に入社、1996年~2002年「週刊将棋」編集長。のち囲碁書籍編集長、ネット事業課長を経て退職。NHK・BS2「囲碁・将棋ウィークリー」司会(1996年~1998年)。2008年から大阪商業大学アミューズメント産業研究所で囲碁・将棋を中心とした頭脳スポーツ、遊戯史研究に従事。大阪商業大学公共学部助教(2018年~)。趣味は将棋、囲碁、テニス、ゴルフ、スキューバダイビング。

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