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羽生九段挑戦決めるか――第72期ALSOK杯王将戦リーグ最終日、羽生善治九段-豊島将之九段戦展望

古作登大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員
羽生善治九段は藤井聡太王将への挑戦権をかけ最終戦に臨む(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

 藤井聡太王将(20)=竜王・王位・叡王・棋聖への挑戦権を争う第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社・毎日新聞社主催)は11月22日、東京都渋谷区「将棋会館」で挑戦者決定リーグ最終戦となる羽生善治九段(52)-豊島将之九段(32)戦が行われる。

 王将戦リーグは定員7人、ここまで5連勝で首位の羽生九段を4勝1敗の豊島九段が追う展開で、挑戦権争いはこの2人に絞られている。

 タイトル獲得通算99期、永世七冠の実績を持つ羽生九段が本局に勝つと、藤井王将との七番勝負が初めて実現する。豊島九段が勝つと後日両者によるプレーオフが行われ、勝者が藤井王将への挑戦権を獲得する。

 注目の大一番の勝敗と展開を、データを基に予想してみた。

両者充実で調子は互角

<羽生九段の最近10局>

9月29日 順位戦B級1組

対澤田真吾七段 ●

10月7日 ALSOK杯王将戦リーグ

対糸谷哲郎八段 ○

10月14日 ALSOK杯王将戦リーグ

対近藤誠也七段 ○

10月20日 順位戦B級1組

対屋敷伸之九段 ●

10月26日 ALSOK杯王将戦リーグ

対渡辺明名人 ○(千日手指直し)

10月31日 ALSOK杯王将戦リーグ

対永瀬拓矢王座 ○

11月5日 棋王戦コナミグループ杯本戦

対伊藤匠五段 ○

11月10日 順位戦B級1組

対郷田真隆九段 ○

11月14日 ヒューリック杯棋聖戦2次予選

対森内俊之九段 ○

11月17日 棋王戦コナミグループ杯本戦

対佐藤天彦九段 ●

<豊島九段の最近10局>

10月8日 ALSOK杯王将戦リーグ

対近藤誠也七段 ○

10月10日 NHK杯

対久保利明九段 ●

10月17日 棋王戦コナミグループ杯本戦

対藤井聡太竜王 ●

10月21日 順位戦A級

対糸谷哲郎八段 ○

10月25日 ALSOK杯王将戦リーグ

対永瀬拓矢王座 ●

10月28日 ALSOK杯王将戦リーグ

対糸谷八段 ○

11月4日 順位戦A級

対菅井竜也八段 ○

11月7日 叡王戦予選

対谷川浩司十七世名人 ○

11月11日 ALSOK杯王将戦リーグ

対服部慎一郎五段 ○

11月15日 ALSOK杯王将戦リーグ

対渡辺明名人 ○

 羽生九段、豊島九段ともに直近10局はトップ棋士を相手に7勝3敗と好調を維持していて調子の面では互角といっていいだろう。両者敗れた将棋でも内容的には形勢二転三転の接戦が多く、充実ぶりがうかがえる。

直接対決は豊島九段リード、戦型は相掛かりが本命

 直接対決は45局あって豊島九段が26勝19敗と勝ち越している。しかも2020年以降は10勝2敗と圧倒しており相性の面では豊島九段優位といえよう。

 王将リーグは抽選時に先後が決定しており、本局は羽生九段の先手だ。主導権を握りやすい先手番で羽生九段はこのところ採用率の高い相掛かりか角換わりを選ぶ可能性が高いだろう。

 展開は序盤から中盤にかけ羽生九段が主導権を握ってわずかにリードし、豊島九段が追い上げてギリギリの終盤戦になると予想する。

大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員

1963年生まれ。東京都出身。早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修卒業。1982年大学生の時に日本将棋連盟新進棋士奨励会に1級で入会、同期に羽生善治、森内俊之ら。三段まで進み、退会後毎日コミュニケーションズ(現・マイナビ)に入社、1996年~2002年「週刊将棋」編集長。のち囲碁書籍編集長、ネット事業課長を経て退職。NHK・BS2「囲碁・将棋ウィークリー」司会(1996年~1998年)。2008年から大阪商業大学アミューズメント産業研究所で囲碁・将棋を中心とした頭脳スポーツ、遊戯史研究に従事。大阪商業大学公共学部助教(2018年~)。趣味は将棋、囲碁、テニス、ゴルフ、スキューバダイビング。

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