渡辺明王将(37)=名人・棋王に藤井聡太竜王(19)=王位・叡王・棋聖が挑戦する第71期ALSOK杯王将戦七番勝負(スポーツニッポン新聞社・毎日新聞社主催)は第3局が1月29、30日に栃木県大田原市「ホテル花月」で行われる。

 ここまで2連勝と「最年少五冠」に向け前進する藤井竜王。迎え撃つ渡辺王将にとっては絶対に落とせない一番だ。七番勝負の流れを左右する第3局の勝敗と展開を、データを基に予想してみた。

<王将戦七番勝負これまでの勝敗と日程>

第1局 1月9、10日 静岡県掛川市「掛川城 二の丸茶室」

藤井竜王(先手)勝ち

第2局 1月22、23日 大阪府高槻市「山水館」

藤井竜王(後手)勝ち

第3局 1月29、30日 栃木県大田原市「ホテル花月」

第4局 2月11、12日 東京都立川市「SORANO HOTEL」

第5局 2月26、27日 佐賀県三養基郡「大幸園」

第6局 3月12、13日 島根県大田市「さんべ荘」

第7局 3月26、27日 新潟県佐渡市「きらく」

安定感抜群の藤井竜王

<渡辺王将の最近10局>(対戦相手の肩書は対局当時)

9月29日 竜王戦2組昇級者決定戦

対広瀬章人八段 ○

10月11日 NHK杯

対郷田真隆九段 ●

10月16日 将棋日本シリーズ準決勝

対豊島将之竜王 ●

10月27日 銀河戦決勝

対菅井竜也八段 ●

12月16日 叡王戦予選

対久保利明九段 ○

12月16日 叡王戦予選

対三浦弘行九段 ●

12月24日 竜王戦ランキング戦1組

対豊島九段 ○(持将棋指し直し)

1月9、10日 ALSOK杯王将戦七番勝負第1局

対藤井竜王 ●

1月15日 朝日杯将棋オープン戦本戦

対菅井八段 ●

1月22、23日 ALSOK杯王将戦七番勝負第2局

対藤井竜王 ●

<藤井竜王の最近10局>

11月16日 順位戦B級1組

対松尾歩八段 ○

11月19日 ALSOK杯王将戦リーグ

対近藤誠也七段 ○

11月21日 将棋日本シリーズ決勝

対豊島九段 ●

11月24日 ALSOK杯王将戦リーグ

対永瀬拓矢王座 ●

12月2日 順位戦B級1組

対近藤七段 ○

1月9、10日 ALSOK杯王将戦七番勝負第1局

対渡辺王将 ○

1月13日 順位戦B級1組

対千田翔太七段 ●

1月16日 朝日杯将棋オープン戦本戦

対船江恒平六段 ○

1月16日 朝日杯将棋オープン戦本戦

対永瀬王座 ●

1月22、23日 ALSOK杯王将戦七番勝負第2局

対渡辺王将 ○

 渡辺王将の直近10局は3勝7敗と黒星が先行し、調子が上がらない。藤井竜王も直近10局は6勝4敗と、本人としては絶好調といえないペースだが、過密スケジュールの中でも大崩れしない安定感はさすがといっていいだろう。

 調子の比較では藤井竜王断然優位だ。ただし渡辺王将は七番勝負第1局で後手番ながら藤井竜王をあと一歩まで追い詰める好内容だったので、立て直しに向け何らかの工夫をしてくるはずだ。

渡辺王将に反撃の秘策はあるか

 直接対決は12局あって本シリーズ開幕以降、藤井竜王が10勝2敗と差を広げている。

 第3局は藤井竜王の先手。渡辺王将は得意とする巧みな序盤戦略で巻き返しのきっかけをつかめるかに注目したい。

 戦型は藤井竜王が昨年10月以降の先手番10局中7局と多用している相掛かりが本命。次の候補は10局中2局採用の角換わりだ。残り1局は後手の誘導で横歩取りに進んでいる。

 渡辺王将は第1局の序盤作戦がうまくいったので相掛かりに応じる可能性は高いが、昨年斎藤慎太郎八段の挑戦を受けた名人戦七番勝負第5局で雁木を採用したように、後手番で時折見せる「変化球」を使う可能性もあるだろう。