Yahoo!ニュース

藤井竜王A級昇級決めるか――第80期順位戦B級1組11回戦、藤井聡太竜王-千田翔太七段戦展望

古作登大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員
各棋戦で破竹の快進撃を続ける藤井聡太竜王(筆者撮影)

 第80期順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)B級1組は1月13日に東西の将棋会館で11回戦6局が一斉に行われる。

 ここまで8勝1敗とA級昇級レース(昇級2人)のトップを走る藤井聡太竜王(19)=王位・叡王・棋聖は3番手で7勝3敗の千田翔太七段(27)と対戦する。

 上位陣の結果によっては残り2戦を待たずに本局で藤井竜王のA級昇級が決まる可能性がある。上位陣のデータを基に勝敗と展開を予想してみた。

藤井竜王の懸念は過密スケジュール

<順位戦B級1組上位グループ成績>(丸数字は現時点の成績順。段位のあとの数字はリーグ順位)

①藤井聡太竜王(11)8勝1敗

②佐々木勇気七段(12)7勝2敗

③千田翔太七段(7)7勝3敗

④稲葉陽八段(1)6勝3敗

※リーグ参加者13人のため抜け番あり

 現時点でトップの藤井竜王は昇級を争うライバル千田七段との直接対決に勝つと9勝3敗以上の成績となり、佐々木七段か稲葉八段のいずれかが敗れた時点でA級昇級が決まる。

 11回戦で佐々木七段は横山泰明七段、稲葉八段は久保利明九段と対局する。

 それぞれの過去の対戦成績は以下のとおり。

藤井竜王4勝-千田七段1勝

横山七段3勝-佐々木七段3勝

久保九段4勝-稲葉八段5勝

 上記のとおり、藤井竜王-千田七段のカード以外は勝敗が拮抗しており互角と考えられる。

 藤井竜王にとって一番の不安材料は1月9、10日に、まれにみる大激戦となった王将戦第1局を戦ってから移動日も含め中2日での順位戦ということだ。19歳の若さをもってしても過密スケジュールの中コンディションを維持するのは容易でない。

藤井竜王は角換わりか相掛かりの可能性大

<藤井竜王の最近10局>(対戦相手の肩書は対局当時)

11月3日 将棋日本シリーズ準決勝

対永瀬拓矢王座 ○

11月5日 ALSOK杯王将戦リーグ

対豊島将之竜王 ○

11月9日 ALSOK杯王将戦リーグ

対羽生善治九段 ○

11月12、13日 竜王戦七番勝負第4局

対豊島竜王 ○

11月16日 順位戦B級1組

対松尾歩八段 ○

11月19日 ALSOK杯王将戦リーグ

対近藤誠也七段 ○

11月21日 将棋日本シリーズ決勝

対豊島九段 ●

11月24日 ALSOK杯王将戦リーグ

対永瀬王座 ●

12月2日 順位戦B級1組

対近藤七段 ○

1月9、10日 ALSOK杯王将戦七番勝負第1局

対渡辺王将 ○

<千田七段の最近10局>

10月21日 順位戦B級1組

対稲葉陽八段 ●

11月8日 NHK杯

対稲葉八段 ○

11月11日 順位戦B級1組

対近藤誠也七段 ○

11月19日 お~いお茶杯王位戦予選

対藤井猛九段 ○

11月24日 叡王戦予選

対八代弥七段 ●

12月2日 順位戦B級1組

対三浦弘行九段 ●

12月10日 お~いお茶杯王位戦予選

対黒沢怜生六段 ●

12月15日 竜王戦2組

対森内俊之九段 ●

12月23日 順位戦B級1組

対佐々木勇気七段 ○

1月6日 王座戦2次予選

対屋敷伸之九段 ○

 藤井竜王と千田七段の調子の比較では直近10局で藤井竜王が8勝2敗、千田七段が5勝5敗と差がある。ただし、千田七段は年末から2連勝し上り調子で、対局間隔も十分開いているためコンディションはほぼ互角と見る。

 戦型に関しては、順位戦は先後が決まっており本局は藤井竜王が先手。過去のデータでは矢倉か角換わりに進んでいるが、最近の藤井竜王の戦法選択の傾向からは角換わり、あるいはこのカード初めての相掛かりに進む可能性が高いように思われる。

大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員

1963年生まれ。東京都出身。早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修卒業。1982年大学生の時に日本将棋連盟新進棋士奨励会に1級で入会、同期に羽生善治、森内俊之ら。三段まで進み、退会後毎日コミュニケーションズ(現・マイナビ)に入社、1996年~2002年「週刊将棋」編集長。のち囲碁書籍編集長、ネット事業課長を経て退職。NHK・BS2「囲碁・将棋ウィークリー」司会(1996年~1998年)。2008年から大阪商業大学アミューズメント産業研究所で囲碁・将棋を中心とした頭脳スポーツ、遊戯史研究に従事。大阪商業大学公共学部助教(2018年~)。趣味は将棋、囲碁、テニス、ゴルフ、スキューバダイビング。

古作登の最近の記事