豊島将之叡王(31)に藤井聡太二冠(19)が挑戦する第6期叡王戦五番勝負(不二家主催)は第4局まで終え2勝2敗のタイ。最終第5局は9月13日東京都渋谷区「将棋会館」で行われる。

 藤井二冠(王位・棋聖)が勝てば史上最年少での三冠達成、豊島叡王(竜王)が勝てば二冠堅持となる。棋界の先行きを占う大一番を、データを基に予想してみた。

<五番勝負これまでの結果と日程>

第1局 7月25日 東京都千代田区「江戸総鎮守 神田明神」

藤井二冠(先手)勝ち

第2局 8月3日 山梨県甲府市「常磐ホテル」

豊島叡王(先手)勝ち

第3局 8月9日 愛知県名古屋市「か茂免」

藤井二冠(先手)勝ち

第4局 8月22日 愛知県名古屋市「名古屋東急ホテル」

豊島叡王(先手)勝ち

第5局 9月13日 東京都渋谷区「将棋会館」

調子の比較では藤井二冠が断然優位

<豊島叡王の最近10局>(未放映のテレビ対局を除く)

7月6日 順位戦A級

対広瀬章人八段 ●

7月13、14日 お~いお茶杯王位戦七番勝負第2局

対藤井王位 ●

7月21、22日 お~いお茶杯王位戦七番勝負第3局

対藤井王位 ●

7月25日 叡王戦五番勝負第1局

対藤井二冠 ●

8月3日 叡王戦五番勝負第2局

対藤井二冠 ○

8月9日 叡王戦五番勝負第3局

対藤井二冠 ●

8月18、19日 お~いお茶杯王位戦七番勝負第4局

対藤井王位 ●

8月22日 叡王戦五番勝負第4局

対藤井二冠 ○

8月24、25日 お~いお茶杯王位戦七番勝負第5局

対藤井王位 ●

9月4日 将棋日本シリーズ2回戦

対広瀬八段 ○

<藤井二冠の最近10局>(未放映のテレビ対局を除く)

8月3日 叡王戦五番勝負第2局

対豊島叡王 ●

8月6日 竜王戦決勝トーナメント

対八代弥六段 ○

8月9日 叡王戦五番勝負第3局

対豊島叡王 ○

8月12日 竜王戦挑戦者決定三番勝負第1局

対永瀬拓矢王座 ○

8月16日 ALSOK杯王将戦二次予選

対稲葉陽八段 ○

8月18、19日 お~いお茶杯王位戦七番勝負第4局

対豊島竜王 ○

8月22日 叡王戦五番勝負第4局

対豊島叡王 ●

8月24、25日 お~いお茶杯王位戦七番勝負第5局

対豊島竜王 ○

8月30日 竜王戦挑戦者決定三番勝負第2局

対永瀬王座 ○

9月2日 棋王戦本戦

対斎藤明日斗四段 ○

 両者は8月に決着した王位戦七番勝負、さらに10月から始まる竜王戦七番勝負を含めたタイトル戦「十九番勝負」を戦っており、王位戦では藤井二冠が4勝1敗で防衛に成功した。

 豊島叡王は直近10局3勝7敗と明らかに調子を落としている。対照的に藤井二冠は8勝2敗と好調を維持していて、調子の面では藤井二冠が優位に立っている。

最終局は振り駒も勝負に大きく影響

 両者の公式戦直接対決は豊島叡王が9勝7敗(1千日手)とまだリードしているが、藤井二冠は初手合いから6連敗のあと今年に入って1月の初勝利以降、タイトル戦番勝負で6勝3敗と勝ち越し、苦手意識を完全に払拭したように思われる。

 ただしトップ棋士同士の番勝負では20年以上前から微差のリードを生かしやすい先手番が有利といわれており、今期五番勝負も第1局から第4局まですべて先手番が勝利している。

 あらためて振り駒で先後を決める第5局でどちらが先手を得るかが勝負に大きく影響するだろう。

 戦型は相居飛車でどちらが先手を持っても相掛かりか角換わりになり、先手が主導権を握る展開に進むことが最近のデータから予想される。

 もし藤井二冠が勝って19歳での三冠達成となれば、10月からの竜王戦七番勝負でも精神的優位に立ち、今年度中に「藤井時代」到来の可能性は高まるだろう。反対に豊島叡王が最終局で踏みとどまり二冠を堅守すれば、いましばらく棋界の戦国時代は続くことが予想される。

 本局は令和棋界の行方を占う「天王山の戦い」といっていいだろう。