藤井聡太棋聖(18)に渡辺明名人(37)が挑戦する第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負(産経新聞社主催)は6月6日第1局が千葉県木更津市「龍宮城スパホテル三日月」で行われる。

 複数タイトルを保持する藤井棋聖(王位)と渡辺名人(棋王、王将)の「棋界頂上決戦」を、データを基に予想してみた。

両者好調維持でコンディションは互角

<第92期棋聖戦五番勝負日程>

第1局 6月6日 千葉県木更津市「龍宮城スパホテル三日月」

第2局 6月18日 兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」

第3局 7月3日 静岡県沼津市「沼津御用邸東附属邸第一学問所」

第4局 7月18日 愛知県名古屋市「亀岳林 万松寺」

第5局 7月29日 新潟県西蒲区「高志の宿 高島屋」

<藤井棋聖の最近10局>(未放映のテレビ対局を除く)

2月18日 竜王戦ランキング戦2組

対広瀬章人八段 〇

3月10日 順位戦B級2組

対中村太地七段 〇

3月23日 竜王戦ランキング戦2組

対松尾歩八段 〇

4月9日 叡王戦予選

対広瀬八段 〇

4月16日 竜王戦ランキング戦2組決勝

対八代弥七段 〇

5月6日 王座戦本戦

対深浦康市九段 ●

5月13日 順位戦B級1組

対三浦弘行九段 ○

5月17日 叡王戦本戦

対行方尚史九段 ○

5月31日 叡王戦本戦

対永瀬拓矢王座 ○

6月3日 順位戦B級1組

対稲葉陽八段 ●

<渡辺名人の最近10局>

4月16日 ヒューリック杯棋聖戦本戦

対山崎隆之八段 ○

4月27、28日 名人戦七番勝負第2局

対斎藤慎太郎八段 ○

4月30日 ヒューリック杯棋聖戦本戦決勝

対永瀬拓矢王座 ○

5月4、5日 名人戦七番勝負第3局

対斎藤八段 ○

5月11日 叡王戦本戦

対古森悠太五段 ○

5月14日 王座戦本戦

対広瀬章人八段 ○

5月19、20日 名人戦七番勝負第4局

対斎藤八段 ○

5月25日 王座戦本戦

対石井健太郎六段 ●

5月28、29日 名人戦七番勝負第5局

対斎藤八段 ○

6月1日 叡王戦本戦

対斎藤八段 ●

 両者とも4月の新年度以降過密スケジュールの中、強豪ばかりを相手に8勝2敗と好調を維持しておりコンディションはほぼ互角といっていいだろう。敗れた将棋も終盤までギリギリの勝負が多く、内容は悪くない。

直接対決は藤井棋聖が大きくリード

<過去の直接対決と戦型> ※肩書は対局当時

2019年2月16日

朝日杯将棋オープン戦決勝

渡辺棋王(先)●-○藤井七段 雁木

2020年6月8日

ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局

藤井七段(先)○-●渡辺棋聖 矢倉

2020年6月28日

ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第2局

渡辺棋聖(先)●-○藤井七段 矢倉

2020年7月9日

ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局

藤井七段(先)●-○渡辺棋聖 角換わり

2020年7月16日

ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第4局

渡辺棋聖(先)●-○藤井七段 矢倉

2021年2月11日

朝日杯将棋オープン戦準決勝

渡辺名人(先)●-○藤井二冠 相掛かり

 両者の直接対決は5勝1敗と藤井棋聖が大きくリードしており、今回の五番勝負も藤井棋聖有利と見る。

 ただしタイトルを守る立場と挑戦する立場は心理的に異なるため、藤井棋聖が昨年のような挑戦する気持ちで臨めるかがカギになるだろう。

 戦型に関しては相居飛車で渡辺名人先手なら相掛かりか矢倉を予想する。藤井棋聖先手のときは角換わりと矢倉中心になりそうだが、後手の渡辺名人が横歩取りや雁木などの力戦型に誘導する可能性があると見ている。

 渡辺名人にとってはリターンマッチとなる本シリーズを制すれば自身初の四冠となり「渡辺時代」を築く足掛かりとなろう。藤井棋聖も年内四冠の可能性を残しており、令和3年の棋界勢力図を占う五番勝負から目が離せない。