藤井聡太七段の竜王戦決勝トーナメント初戦は28日――相手は難敵近藤誠也六段

さまざまな記録更新が期待されている藤井聡太七段(筆者撮影)

 広瀬章人竜王への挑戦者を決める第32期竜王戦(読売新聞主催)決勝トーナメントは6月24日の近藤誠也六段(ランキング戦5組優勝)-梶浦宏孝四段(ランキング戦6組優勝)戦で開幕した。

 勝った近藤六段と最年少タイトル獲得記録更新が期待される16歳の藤井聡太七段(ランキング戦4組優勝)の対局は28日に大阪市福島区の関西将棋会館で行われる。データを基に勝敗と展開を予想してみた。

両者好調をキープ

<藤井七段の最近10局>(未放映のテレビ対局を除く)

4月24日 竜王戦ランキング戦4組準決勝

対高見泰地叡王〇

5月9日 王将戦1次予選

対北浜健介八段〇

5月15日 棋王戦予選

対牧野光則五段○

5月28日 棋王戦予選

対都成竜馬五段●

5月31日 竜王戦ランキング戦4組決勝

対菅井竜也七段○(千日手指し直し)

6月3日 王座戦本戦

対佐々木大地五段●

6月11日 棋聖戦1次予選

対東和男八段○

6月11日 棋聖戦1次予選

対伊奈祐介六段○

6月18日 順位戦C級1組

対村田顕弘六段○

6月22日 王将戦1次予選

対千田翔太七段○

<近藤六段の最近10局>(未放映のテレビ対局を除く)

4月2日 王将戦1次予選

対及川拓馬六段○

4月17日 竜王戦ランキング戦5組

対金井恒太六段○

5月10日 王将戦1次予選

対戸辺誠七段○

5月16日 竜王戦ランキング戦5組準決勝

対阿部光瑠六段○

5月20日 王座戦本戦

対羽生善治九段●

5月23日 竜王戦ランキング戦5組決勝

対石井健太郎五段○

5月31日 王将戦1次予選

対川上猛七段○

6月4日 新人王戦本戦

対石井健太郎五段●(千日手指し直し)

6月21日 王将戦1次予選

対高野秀行六段○

6月24日 竜王戦決勝トーナメント

対梶浦宏孝四段○

 データが示すように直近10局は両者とも8勝2敗と好調をキープしている。タイトルにからむ強豪からも白星を挙げており、ほぼ互角と見ていいだろう。

直接対決は藤井がリード

<藤井七段vs近藤六段全成績と戦型>

2017年5月25日 竜王戦ランキング戦6組決勝

藤井○-●近藤(先)

相掛かり

2018年8月31日 新人王戦本戦

藤井○-●近藤(先)

角換わり腰掛け銀

2019年2月5日 順位戦C級1組

藤井(先)●-○近藤

角換わり腰掛け銀

2019年2月19日 銀河戦本戦Eブロック

藤井(先)○-●近藤

角換わりその他

 直接対決はまだ4戦しかないが藤井七段が3勝1敗と勝ち越している。ただし今年2月の順位戦C級1組では昇級を争う大勝負を近藤五段(当時)が制し、逆転昇級に結びつけたのは大きな自信になっただろう。

 これで藤井七段は順位戦連勝記録が18でストップ、最終戦に勝って9勝1敗の同星に並んだものの順位の差でB級2組への昇級を逸している。

 さまざまなデータを総合すると、朝日杯2連覇(2018年、2019年)の実績を持つ藤井七段有利と見る。

 ただし朝日杯は持ち時間40分の早指し棋戦。長丁場の順位戦(6時間)で見せた近藤六段の粘り強さは相当なもので、持ち時間5時間の竜王戦なら差はわずかだろう。

 戦型は角換わり腰掛け銀が本命。同じ角換わりでも銀を腰掛けない力戦に進むことも考えられる。

 どちらが勝っても挑戦者になるまではさらに5勝(挑戦者決定3番勝負で1敗可)が必要と道のりは遠そうに見えるが、直近では2004年の第17期竜王戦で渡辺明五段(当時)がランキング戦4組優勝から挑戦者に駆け上がって20歳の若さでタイトルを奪取した前例もあり、ここで勢いに乗ったほうが今期竜王戦「台風の目」になる可能性は大いにあるだろう。