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藤井聡太新人王 記念対局の相手は?

古作登大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員
里見香奈女流四冠との対局に臨む藤井聡太七段(筆者撮影)

 10月17日、将棋の第49期新人王戦(しんぶん赤旗主催)決勝三番勝負第2局、藤井聡太七段(16)-出口若武奨励会三段(23)が関西将棋会館で行われ、藤井七段が勝って2連勝で優勝を決め「平成最後の新人王」となった。

新人王は登竜門

 新人王戦は古くから若手棋士の登竜門として知られ、現在の規定ではエントリー時点で26歳以下かつ六段以下でタイトル未経験の棋士、女流棋士選抜、奨励会三段リーグ成績優秀者に加えアマチュアの赤旗名人戦優勝者(年齢制限なし)が参加する。

 歴代新人王はトップ棋士との記念対局を行うのが恒例となっていて2005年の第36期までは記念対局ではあっても公式戦とされ年度成績、生涯成績に勝敗が記録された。そのころは「格上」である名人との対局で、新人王が名人に敬意を表し先手を持つことが慣例となっていた。

 だが1999年、前年度六段の資格で参加し、年末にタイトルを獲得していた藤井猛竜王が新人王になったため、佐藤康光名人(当時)との記念対局となり、振り駒で先後を決める特例ルールで名人が先手となった(結果は佐藤勝ち)。

対戦相手はタイトルホルダー

 現在の規定では記念対局の相手は名人からタイトルホルダーに変更され、2013年に都成竜馬三段(当時・現五段)が奨励会員として初めて優勝した時は羽生善治三冠(王位・王座・棋聖)が選ばれたように、どのカードになるか予想する「エキシビション」ならではの楽しさが加わった。

 例年初冬に行われる記念対局で藤井新人王の相手として可能性があるのは羽生竜王、佐藤天彦名人、高見泰地叡王、豊島将之二冠(王位・棋聖)、王座のタイトルを争っている中村太地王座と斎藤慎太郎七段の勝者(10月30日に最終第5局)、渡辺明棋王、久保利明王将の8人。

 このうち公式戦で藤井新人王が対局したことがあるのは羽生竜王(1勝0敗)、佐藤名人(1勝0敗)、高見叡王(1勝0敗)、豊島二冠(0勝1敗)、斎藤七段(0勝1敗)の5人。

 タイトル戦の進行状況も考えると未対局の渡辺棋王、久保王将が選ばれる可能性が高そうだが、渡辺棋王となら相居飛車のねじり合い、久保王将なら「振り飛車党総帥」に藤井新人王が居飛車でどのような策を用いるかが見どころだ。四段当時に完敗したリベンジを期す意味で、豊島二冠と再戦の可能性も高そうと予想しておく。

大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員

1963年生まれ。東京都出身。早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修卒業。1982年大学生の時に日本将棋連盟新進棋士奨励会に1級で入会、同期に羽生善治、森内俊之ら。三段まで進み、退会後毎日コミュニケーションズ(現・マイナビ)に入社、1996年~2002年「週刊将棋」編集長。のち囲碁書籍編集長、ネット事業課長を経て退職。NHK・BS2「囲碁・将棋ウィークリー」司会(1996年~1998年)。2008年から大阪商業大学アミューズメント産業研究所で囲碁・将棋を中心とした頭脳スポーツ、遊戯史研究に従事。大阪商業大学公共学部助教(2018年~)。趣味は将棋、囲碁、テニス、ゴルフ、スキューバダイビング。

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