NPO法人「POSSE」代表。年間5000件以上の労働・生活相談に関わり、労働・福祉政策について研究・提言している。近著に『賃労働の系譜学 フォーディズムからデジタル封建制へ』(青土社)。その他に『ストライキ2.0』(集英社新書)、『ブラック企業』(文春新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『生活保護』(ちくま新書)など多数。流行語大賞トップ10(「ブラック企業」)、大佛次郎論壇賞、日本労働社会学会奨励賞などを受賞。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。
記事一覧
- 新型コロナ対応 厚労省の53%が「非正規公務員」の現実
新型コロナウイルスを最前線で取り組む公務員。しかし、ここ30年間ほどで公務員の人員・予算は削減され、非正規化が進められてきた。この状況のなかで、どのような問題が生じうるのか、専門家に聞いた。
- 新型コロナでひろがる出勤停止 知っておきたい「休業時の生活保障」の知識
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、突然の休業を余儀なくされる…。そんな事態が誰にも身にも起こりうる。そんな時、どのように収入を維持し生活を守ればよいのだろうか。活用できる法律や制度をまとめた。
- 症状があるのに出勤を求められたらどうする? 多様なコロナ問題と法的「対処法」
新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、関連した労働問題の発生が予想される。出勤の強要、合理的な理由のない自宅待機命令、経営不振に伴う休業や解雇などだ。こうしたトラブルに遭った時の対処法をまとめた。
- ブラックバイトは改善したのか? 京都・沖縄ではむしろ悪化の傾向も
政府がブラックバイト対策を打ち出してから5年。状況は改善したのだろうか。これを確かめるために沖縄県・東京都・京都府で調査を実施し、2015年の調査と比較分析したところ、地方では悪化の傾向も見られた。
- 育休をとっても「復職」させない実情 「育休→非正規→解雇」を容認した判決も
育休期間を終えても保育園を確保できなかった女性が正社員として復帰できず、「合意」により契約社員とされた上、解雇された。このようなことが許されるのか。育児・介護休業法の趣旨に立ち戻って考えてみよう。
- 「何てめぇチクってんだよオラ!」 ヤマト運輸下請が暴行事件で起訴も、反省文だけ
ヤマト運輸の下請け企業で働いていた若者が、先輩社員からの暴言・暴行といったパワハラにより精神疾患を発症したことについて労災認定された。今回は、深刻化する職場の暴力について考えていきたい。
- 「ブラック企業、辞めました」奪われた“人生“は取り戻すことができるのか
ブラック企業の被害にあった人たちは、「その後」どのように生きているのだろうか。本記事では二人の事例から、それぞれの現在を描写する。
- ワタミは「ホワイト企業」になったのか? ホワイト認定と「無反省」の実際を探る
ワタミがホワイト企業大賞を受賞したというが、経営の姿勢は改善されたのだろうか? 実は渡邉美樹代表はいまだに過去のブラック企業批判に反発している。なぜワタミは「ブラック」とされたのか、改めて振り返りたい
- 「子ども」の貧困対策から「大人」の貧困対策へ 「年越し大人食堂」が投げかけるもの
年末年始に東京で「年越し大人食堂」が開催された。「子ども食堂」だけではなく大人の支援も必要だ。「年越し大人食堂」を通じて見えてきた現代的貧困に改めて焦点を当て、今後必要とされる貧困対策について考えよう
- 外国人が行政書士事務所を提訴 「パスポートを返さない」「人権侵害大国」日本の実情
勤務先にパスポートを奪われたフィリピン人女性が、パスポートの返還や未払い賃金、慰謝料の支払いを求めて提訴した。この事件は海外でも報道されている。なぜこのような人権侵害が起こっているのか考えていきたい。
- 困っている外国人に「私たちができる」こと 5つのポイントを紹介する
今やコンビニ、スーパーから介護施設まで、外国人が私たちの生活を支えている。しかし、彼らの多くは日本で違法労働の被害にあい、相談する相手もいない。私たち「個人」が外国人のためにできることを紹介したい。
- 建設とメディア業界は過労死要注意? 国の「過労死白書」で実態が明らかに
オリンピックが迫る中、建設業の過労死の増加が問題となっている。また、もう一つ注目されている業界がメディアだ。今回は国が発表した過労死白書のデータをもとに、二つの危険な業界について考えていきたい。
- 違法行為がまかり通るタピオカブームの闇 沖縄をむしばむブラックバイト
近年急拡大するタピオカ屋で働く大学生が、レジの違算金を補填させられたり、賃金を1分単位で支払われないなどのブラックバイト被害が発生した。持続可能な観光業の発展のために、労働環境の改善が求められている。
- 未払い賃金はセブン以外も? 自腹購入や休んだら罰金…止まないバイトへの違法行為
セブンイレブン社は4.9億円の未払い賃金があったと発表したが、コンビニ業界では罰金など今回公表されたもの以外の様々な違法行為が確認されている。コンビニに蔓延する労働問題とその対処法について紹介したい。
- 世田谷の保育園の「自主営業」が2週目に 資金不足、法制度を乗り越えモデルケースへ
世田谷の認可外保育園で「突然閉園」からの「自主営業」が現在も続いている。この挑戦の今日までの経過をたどりつつ、いったいどのような課題や法的問題に直面し、克服してきたのかを紹介する。
- 世田谷の保育園が「即日閉鎖」から「自主営業」へ 「一斉退職」しなかった保育士たち
11月29日、東京都世田谷区の保育園が突然倒産手続きを宣言し、ある保育園が即日で閉鎖した。途方に暮れた保育士と保護者は共に経営者に抗議し、月曜日から保育園の「自主営業」を始める準備を進めているという。
- 出勤停止や損害賠償請求…違法性は? 佐野SAで「組合つぶし」についての救済申し立て
佐野SA労組が、経営側の「組合つぶし」について、栃木県に救済申し立てをした。実は「組合つぶし」は明確な違法行為だ。だが他方で、罰則が無いため「やり得」とばかりに違法行為に手を染める経営者も少なくない。
- 「働かせ放題」のアニメ業界に分岐点? 『海獣の子供』制作会社の訴訟が意味するもの
『海獣の子供』などの人気アニメ制作会社STUDIO4℃の労働者が、裁量労働制の違法性を主張し同社を提訴した。アニメ業界はもちろん、クリエイティヴ業界全体を揺るがす、歴史的な判決が出される可能性がある。
- 貧困は「犯罪」になったのか? ホームレスの台風・避難所拒否事件から考える
先月の台風19号の際、ホームレスの人が避難所受け入れを拒否された。これは、人権を保障しない日本のホームレス対策の延長線上にある。他方、欧州のホームレス対策は住居確保のための支援や法制度が整っている。
- 「ブラック」化に拍車、劣悪な待遇で働く「非正規公務員」のスト権までも剥奪へ
急増する“非正規公務員”は、責任の重い業務を担っているにもかかわらず、低処遇かつ不安定雇用の下に置かれ、さらにはスト権まで剥奪されようとしている。公共サービスの質を守るためにも彼らの待遇改善が急務だ。
- 「早くパスポートを返してほしい」 実質的「強制労働」が可能になるシステムとは
「入社時にパスポートを預けさせられ、未だに会社が保管している。給料は2ヶ月間未払いで辞めることも許可されなかった」。なぜ会社はパスポートを返還しないのか、日本で働く外国人労働者の実態を紹介する。
- 佐野SAで新たなスト通告、NEXCO東日本の「社会的責任」が焦点に
佐野SAの労働組合が新たなストライキを通告した。また、今回は同時に委託元のNEXCOに対しても問題解決のために役割を果たすよう申入れたという。ストの焦点は、NEXCOの「社会的責任」に移りつつある。
- 知らぬ間にあなたも最低賃金を下回ってるかも 月給制の人もできる確認方法は?
10月から最低賃金が引き上がった。自分には関係ないと思っている人でも、実際に計算してみると、給与が最低賃金を下回っている可能性がある。今回は、正社員など「月給制」の場合にチェックする方法を解説していく
- 台風でも宅配ピザを配達する必要はあるのか? 配達員の休む権利、事故の補償について考える
多くの配達員が、台風の直撃する12日、13日にも通常通り働くよう言われており、配達員の命や安全が危ぶまれる状況にある。災害時に休む権利や、事故の補償について解説したい。
- 働き方改革で増加する「休憩労働」 ジャパンビバレッジでも五度目の是正勧告
サントリー系自販機会社ジャパンビバレッジに対し、労基署が五度目の是正勧告を出した。違反内容は休憩未取得だ。この間、働き方改革の時短圧力で休憩を削られるという相談が増えているが、証拠の取り方を解説する。