打撃のベストナイン
ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞は新聞・放送・通信社に所属し5年以上プロ野球を担当した記者の投票により決まる。もちろん中には野球経験の無い人もいるし、成績より個人的な思い入れが強く出ていると思われる人もいる。
そこで、先入観に捉われず数字のみに着目。OPS(出塁率+長打率)とRCAA(リーグの平均打者と比較して何点上積みしたかを示す。盗塁や犠打なども計算式に含まれる)を元に打撃のベストナインを選出した。
ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞の両方を獲得した選手には◎、とちら一方なら◯
セリーグ
◎捕 阿部
〇一 ブランコ
二 森野
◎三 村田
◎遊 鳥谷
〇外 バレンティン
〇外 マートン
〇外 丸
阿部、ブランコ、バレンティンらは予想通りの結果に。以外だったのが二塁手の森野。OPS、RCAAは共にベスト10入りと結果を残し、打率で.004及ばなかった西岡をどちらも大きく上回る。二塁手としての先発出場は50試合ながら文句なしの選出。
最も熾烈な争いになったのが外野手最後の1枠。丸と和田の成績が拮抗しており、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を獲得した長野は圏外に。OPSでは丸より和田が.003上だがほとんど差は無く、RCAAでは丸が7点上回る。貢献度に差があったため丸を選出。ゴールデン・グラブ賞を獲得した丸は、ベストナインの記者投票でも長野に14票差と僅差につけており来季からは勢いだけでは無く、本格的に一流選出の仲間入りとなりそうだ。
パリーグ
捕 伊藤光
◎一 浅村
二 本多
〇三 マギー
〇遊 鈴木
〇外 長谷川
〇外 中田
〇外 糸井
〇指 アブレイユ
セリーグと違い◎となっているのは浅村1人だけ。高校時代、1番・遊撃手だった選手が4番・一塁手としてリーグトップのOPS、2位のRCAAをマークした。
パリーグで注目したいのは外野手の層が厚いこと。上記3人のすぐ後には内川、栗山、陽と実力派が名を連ねる。
しかしその反面、捕手と二遊間の数字は芳しくない。セリーグの9人はOPSもRCAAも全員がトップ10に名前があるがパリーグはこの3つのポジションは下から数えた方が早い。
一塁を守ることが多かった井口、浅村で二遊間を組めば、一塁には李大浩が入ることになり破壊力ある布陣となる。
セリーグも阿部の成績がズバ抜けてはいるが、規定打席に達している捕手は阿部だけ。捕手不足はNPB全体の課題と言えそうだ。