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阪神×広島 先発投手の対戦成績による甲子園決戦の見どころ

小中翔太スポーツライター/算数好きの野球少年

12勝12敗

CSファーストステージにおいてぶつかる阪神×広島の対戦成績は全くの五分。僅差の試合が予想される中、先発投手の出来が勝敗に大きく影響するのは間違いない。先発が予想される6人の投手と対戦成績からの見どころは以下の通り。

阪神投手陣VS広島打撃陣

メッセンジャー

7試合に先発し1勝3敗 防御率2.82

決して悪くない防御率に加え、被安打+与四球の合計値がイニング数を下回り投球内容も抜群。それなのに黒星先行の理由は打線の援護に恵まれなかったという唯一点。菊池を18打数1安打、キラを10打数2安打、エルドレッドを10打数1安打に抑え上位打線と相性がいい。22打数で長打を4本浴びている丸には気をつけたい。

能見篤史

1試合に先発し1勝0敗 防御率1.00

巨人、中日にぶつけるローテーションを組んだためシーズン中の対戦は9月18日(マツダスタジアム)のわずか1度。その試合では散発4安打1失点に抑え106球で完投、3年連続の2桁勝利を挙げた。CSでは本拠地の大声援を背に投げる。ジャイアンツキラーとして東京に乗り込むためにまずは鯉を料理したい。

藤浪晋太郎

2試合に先発し2勝0敗 防御率1.29

2試合とも6イニングを投げそれぞれ無失点、1失点と先発の役目を果たしている。防御率1.29はセリーグ5球団の中で最も良い数字。チーム被打率も2.04と優秀。14イニングで四球6つはやや多い感じもするが、雨で先発が流れ救援に回った4月7日に2イニングで3つ与えたのがその原因。先発としては12イニングで3つだけ。黄金ルーキーが大一番で輝けるか。

広島投手陣VS阪神打撃陣

前田健太

6試合に先発し4勝1敗 防御率0.40

45イニングを投げて2失点。それもソロ2発のみという完璧な内容。主力選手相手の被打率を見ても軒並み1割台が並ぶ。今成の.556、西岡の.308、坂の.300は要注意だが、打順の並びから考えても得点どころか連打もイメージしにくい。絶対的エースの存在は頼もしい限りだ。

バリントン

3試合に先発し1勝0敗 防御率4.11

マートンに8打数4安打、鳥谷には3つの四球を与え5打数2安打と苦手にしている。ランナーを置いての対戦は避けたいだけに、7打数1安打と抑え込んでいる1番・西岡を出塁させたくない。先発機会3度の内、1試合は打球を受け2回で降板しているが、残り2試合はしっかり終盤まで投げている。

大竹寛

5試合に先発し2勝2敗 防御率3.09

鳥谷を15打数ノーヒットと完璧に抑えている。マートンに対しても被打率は.231で、福留も5打数ノーヒット。クリーンアップを封じる一方、大和に.400、新井貴に.385、今成に.375という数字を残されている。和田監督がどういう打順を組むかはわからないが、阪神の課題であった5番6番は大竹にとってもアキレス腱か。

キーマンは?

好き嫌いが表れている阪神3、4番の鳥谷、マートンももちろんそうだが数字の面では断トツで今成。前田に9打数5安打、バリントンに2打数2安打、大竹に8打数3安打、トータル19打数10安打で打率は.526。ラッキーボーイ最有力候補のバットが勝負の行方を握っているかもしれない。

スポーツライター/算数好きの野球少年

1988年1月19日大阪府生まれ、京都府宮津市育ち。大学野球連盟の学生委員や独立リーグのインターン、女子プロ野球の記録員を経験。野球専門誌「Baseball Times」にて阪神タイガースを担当し、スポーツナビや高校野球ドットコムにも寄稿する。セイバーメトリクスに興味津々。

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