米調査会社のIDCがこのほど公表した最新リポートによると、2022年1〜3月期における世界スマートフォン出荷台数は3億1410万台で、前年同期から8.9%減少した。

スマホ世界出荷台数の前年割れは3四半期連続。22年1〜3月期は引き続きサプライチェーン(供給網)や物流の停滞といった問題があり、ある程度の減少が予想されたが、状況はより悪化したという。

IDCの調査ディレクター、ナビラ・ポーパル氏によると、すべての地域、とりわけ中国で消費者心理が悪化しているという。「インフレと経済の不安定性に対する深刻な懸念が個人消費を抑制している」と同氏は指摘する。

「部品や物流コストの上昇と、中国・上海でのロックダウン(都市封鎖)が重なり、すでに困難だった状況をさらに悪化させた」(同氏)

アジア太平洋地域12.3%減

出荷台数を地域別に見ると、世界全体のほぼ半分を占めるアジア太平洋地域が前年同期比12.3%減少した。

ロシアのウクライナ侵攻を巡り、これらの地域の状況が懸念されている。例えば米アップルなどの大手メーカーがウクライナ侵攻後にロシアでの製品販売を停止した。

IDCによると、両国を含む中東欧地域の出荷台数は同約20%減少した。ただ、同地域の世界全体に占める比率は出荷台数ベースで6~7%、出荷金額ベースで約5%にとどまっており、世界市場全体に及ぼす影響は限定的。

サムスン7360万台、アップル5650万台

22年1〜3月期のメーカー別出荷台数は、首位の韓国サムスン電子が同1.2%減の7360万台で、シェアは23.4%だった。アップルは同2.2%増の5650万台で、シェアは23.4%。

スマホメーカーの出荷台数シェア推移(出所:米IDC)
スマホメーカーの出荷台数シェア推移(出所:米IDC)

3位以降は、中国・小米(シャオミ)、中国OPPO(オッポ)、中国vivo(ビボ)の順。小米の出荷台数は同17.8%減の3990万台。小米を含む中国3社はいずれも出荷台数を大きく減らした。

IDCのモバイル機器調査担当グループ副社長のライアン・リース氏は、「サムスンとアップルは他のメーカーよりもサプライチェーンの混乱に対し、いくらかうまく対処できた」と分析している。

また、同氏は「需要の減少分は消えることなく、先に持ち越されるだけであり、いずれ回復する。問題はそれがいつかだ」とも述べ、長期的には再び買い替え需要が高まるとの見通しを示した。

中国スマホ出荷14.1%減

IDCの別のリポートによると、世界最大のスマホ市場である中国の1〜3月期出荷台数は、7420万台。前年同期から14.1%減少した。

メーカー別出荷台数は1位から、OPPO、HONOR(オナー)、vivo、アップル、小米の順。これら上位5社はアップルを除きいずれも中国メーカー。HONORは中国・華為技術(ファーウェイ)から20年11月に分離独立したブランドだ。

上位3社の出荷台数はそれぞれ1370万台、1350万台、1330万台。4位のアップルは1240万台。小米は1100万台だった。