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アマゾンのプライムデー販売は過去最高更新か、アップル「正規ストア以外からのインストールは危険」と警告

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
(写真:ロイター/アフロ)

筆者が注目した海外発最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで

[1]アマゾンのプライムデー販売額、過去最高更新か

米アマゾン・ドット・コムが6月22日までの2日間実施した会員向け大型セール「プライムデー」の販売額は過去最高を更新したようだと、米CNBCが米アドビの調査結果を基に6月23日に報じた

アドビの試算によると、2日間の米国オンライン小売り総販売額は110億ドル(約1兆2200億円)超で、前年から6.1%増加した。昨年は10月にプライムデーを開催したが、この期間の米オンライン小売り総販売額は約104億ドルで前年比45.2%増。今年は伸びが鈍化した。中国・深圳市など主要輸出入拠点での変異ウイルス感染拡大や、世界的な半導体不足により物流が滞ったことが原因だとCNBCは報じている。

アマゾンは詳細を明らかにしていないものの、声明で「中小の出品業者にとって史上最大の2日間になった」と述べた。「世界中のプライム会員は期間中、計2億5000万個以上の商品を購入し、これまでのプライムデーの中で最も多くの金額を節約した」としている。

[2]アップルが警告、「正規アプリストア以外からのインストールは危険」

出所:米Apple
出所:米Apple

米アップルは6月23日にモバイルアプリに関するリポートを公表し、「サイドローディング」と呼ばれる正規ストア以外からアプリをインストールすることは危険だと主張した。米CNBCなどが6月23日に報じた。ハッカーやネット詐欺師がアップルのストア「App Store」以外で悪意のあるプログラムをインストールさせ、利用者を危険にさらしてしまうとしている。

アップルは、iPhoneなどの同社製モバイル機器向けアプリを「App Store」以外で配信することを認めていない。一方、米議会下院の超党派議員が6月11日に公表した反トラスト法の改正案では、アップルやアマゾンがそれぞれ開発者や出品者向けプラットフォームを運営しながら、自社のアプリや商品を販売・提供していることを問題視している。法が成立すればアップルはサイドローディングを認めざるを得なくなる可能性があるという。

「iPhoneには個人の写真や健康・資産・位置情報など貴重なデータが入っている。サイドローディングを許せば、これらを攻撃するための技術開発に資金が投じられ、攻撃はより過激になり、手口はさらに広がる」と警告している。

[3]アマゾンは世界最大の再生可能エネルギー購入企業

出所:米Amazon.com
出所:米Amazon.com

アマゾン・ドット・コムは6月23日、米国やカナダ、フィンランド、スペインで計14の再生可能エネルギープロジェクトを立ち上げると明らかにした。

当初の予定より5年早い2025年までに全事業活動の電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指している。米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、風力および太陽光発電所から新たに1.5ギガワット(150万キロワット)の電力を購入する計画。これにより、同社が全世界で調達する再生可能エネルギーの容量は計10ギガワットになる。

公表されている再生可能エネルギー購入契約の上位6社のうち4社は、アマゾン、米グーグル、米フェイスブック、米マイクロソフト。4社のこれまでの調達量は世界全体の30%(25.7ギガワット)を占める。アマゾンは世界最大の再生可能エネルギー購入企業だという。

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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