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アップルがEV用電池の調達で中国勢と交渉中、テスラは中国のEV販売回復か、消費者の反発から1カ月

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
BYD e-SEED GT concept EV(写真:ロイター/アフロ)

筆者が注目した海外発最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで

[1]アップル、EV用電池の調達で中国勢と交渉中

米アップルが中国の電池メーカー大手、寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)と電気自動車(EV)用車載電池の調達に向けて交渉中だと、ロイターが6月8日に報じた

初期段階の協議を進めており、アップルは米国内に製造施設を建設することを取引の条件にしているという。ただ、CATLは米中の政治的な緊張やコスト増への懸念を理由に米工場の建設に難色を示している。ロイターによると、CATLは車載電池の世界最大手。米テスラなどの自動車大手と提携している。一方のBYDは世界4位だという。

ロイターは2020年12月、アップルが自動運転技術の開発を進めており、24年までの乗用車生産開始を目指していると報じていた。アップルが開発の中心と位置付けているのは新たなEV用電池技術。価格を大幅に抑え、1回の充電で走れる航続距離を延ばせると関係者は話している。今回のCATLやBYDとの協議と、アップル独自の電池技術が関連しているかどうかは明らかでないとロイターは報じている。

[2]米アマゾン、プライム会員に処方薬を割引き、1カ月分110円

米アマゾン・ドット・コムが米国でプライム会員向けに処方薬の割引き販売を始めたと、ロイターなどが6月8日に報じた。半年間の服用分を注文すると、1カ月当たりの価格が1ドルに(約110円)になる。対象は糖尿病や高血圧の治療薬などで、配送料は取らない。

アマゾンは2020年11月に米国で処方薬のネット販売「アマゾン・ファーマシー」を開始した。

利用者はネットで服用履歴や健康状態、アレルギーの有無などの情報を入力して登録する。その後、医師などから処方箋をアマゾンに送ってもらう。アマゾンから届く通知に従い支払い方法を選んで注文すると数日後に配達される。プライム会員には翌々日までに無料で配達している。

保険を使わずに購入する際は割引する。ジェネリック医薬品(後発薬)で最大8割引き、先発薬で最大4割引きとなり、保険の自己負担分よりも安くなる場合もあるという。

[3]テスラ、中国のEV販売回復か、消費者の反発から1カ月

写真:ロイター/アフロ

米テスラが2021年5月に中国で販売した電気自動車(EV)の台数は2万1936台で、前月の1万1671台からほぼ2倍に増えたと、米ウォール・ストリート・ジャーナルが中国乗用車市場信息聯席会(CPCA)のレポートを基に6月8日報じた。ただし、依然3月の約3万6000台を大きく下回っている状態だ。

21年4月、ブレーキが誤作動したと抗議したテスラ車オーナーへの対応を巡り、同社に対する批判が高まった。同社は公式に謝罪し、顧客満足に関する部門を新設することなどを約束した。

「テスラは確かに中国で評判を落としたが、5月の販売台数はテスラブランドが健在であることを示唆しているのかもしれない」と同紙は報じている。ただ、CPCAの崔東樹・秘書長(事務局長)は、「5月に販売されたテスラ車は、騒動の前に注文されたものが多く、判断は時期尚早だ」と指摘している。

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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