広がる在宅の継続と永続、ツイッターは無期限容認、フェイスブックは10年以内半数在宅へ
新型コロナウイルスの感染対策として従業員に在宅勤務を指示している米グーグルが、米国内のオフィス勤務再開を延期し、少なくとも9月7日までオフィスを閉鎖すると、ロイターなどが報じた。
グーグル、年内継続を推奨
グーグルは5月下旬、オフィスの再開を限定的かつ段階的に進めると明らかにしていた。
7月6日から収容人数の約10%でオフィスを稼働し、9月にこの比率を30%に引き上げると、スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は述べていたが、再び感染が拡大したため、再開を約2カ月延期するようだ。
ただ、オフィスを再開しても、多くの従業員にとって出社は自主的な判断だとし、年内は自宅で仕事をするように勧めている。
ピチャイCEOは、在宅勤務を支援するために、機材やオフィス家具などの購入費用として1人当たり1000ドル(約11万円)の手当を支給するとも述べていた。
ツイッター、無期限の在宅容認
こうして、在宅を継続する動きは他のテクノロジー企業にも広がっているようだ。
例えば、全世界の従業員4900人に対し、在宅の「必須」を指示していた米ツイッターは5月12日、これを無期限で認める方針を明らかにした。
ツイッターは9月以降にオフィスを再開する予定だが、可能な職務で環境が整う人は、新型コロナウイルス終息後も永続的に自宅で仕事ができるようになるとしている。
ツイッターの人事担当バイスプレジデントのジェニファー・クリスティー氏はブログ記事で、「在宅が不可能な人の場合、当社のオフィスは安全が確認でき、十分な予防措置を講じた段階で、みなさんを温かく迎える場所になります」と述べている。
フェイスブックCEO「5〜10年で半数が在宅」
米フェイスブックも年末まで在宅勤務を許可する方針を示している企業の1社だ。
ただ、同社のマーク・ザッカーバーグCEOは5月21日、従業員向けのライブ映像配信で、在宅を積極的に増やすという新方針を表明した。今後5〜10年で従業員の半数が自宅で働くようになると、同氏は予測している。
同氏によると、フェイスブックでは7月からリモートワークを前提とした雇用を進める。既存の従業員については、「永続的に在宅勤務する人員を慎重な方法で増やしていく」としている。
米ウォールストリート・ジャーナルによると、フェイスブックの従業員数は約4万5000人。このうち95%が在宅で業務にあたっている。その半数は生産性が変わらないと、ザッカーバーグCEOは述べている。
また、全従業員の4割が完全なリモートワークに興味を示しており、そのうちの大半が永続的な在宅勤務が可能になれば、別の都市に住みたいと考えているという(CNBCの記事)。
「在宅勤務が定着すればベイエリア(サンフランシスコとシリコンバレーを合わせた地域)のようなテクノロジー拠点で働く必要がなくなる」
「さまざまな都市のさまざま思想を持つ人を雇用できるようになり、より多くの地域に経済効果をもたらすこともできる」とザッカーバーグCEOはライブ配信で説明した。
- (このコラムは「JBpress」2020年5月28日号に掲載された記事をもとに、その後の最新情報を加えて再編集したものです)