「iPhone」の不振を示す新たなデータ 販売2桁減、2016年以降最大の落ち込み

中国メーカーが勢力を増す世界スマートフォン市場(写真:ロイター/アフロ)

 米国の市場調査会社ガートナーによると、昨年(2018年)10~12月における世界のスマートフォン販売台数(小売りベース)は、4億840万台で、1年前から0.1%の伸びにとどまった。世界スマートフォン市場は、行き詰まったと同社は指摘している。

アップル、2016年以降最大の落ち込み

 10~12月における販売台数の上位5社は、1位から、韓国サムスン電子、米アップル、中国ファーウェイ(華為技術)、中国オッポ(広東欧珀移動通信)、中国シャオミ(小米科技)の順。

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 このうち、アップルの「iPhone」の販売台数は、6450万台で、1年前から11.8%減少した。これは、2016年1~3月以降、最大の落ち込みという。上位5社のうち、10~12月の販売台数が減少したメーカーは3社あったが、アップルはその中で最も落ち込みが激しかった。

 また、iPhoneの需要は大半の地域で低下したが、世界最大のスマートフォン市場である中国で、最も落ち込んだ。中国におけるiPhoneのシェアは1年前、14.6%だったが、これが8.8%に低下した。

 ガートナーによると、スマートフォンは世界的に低・中価格帯のモデルが好調。しかし、iPhoneのような高価格モデルは不振が続いている。

 これらのモデルは、技術革新の速度が遅いにもかかわらず、価格が上昇し続けている。消費者の買い替え時期が延びている理由は、そこにあると、ガートナーは指摘している。

 「アップルは、買い替え時期を延ばしている消費者層にiPhoneをアピールする必要があるほか、中・高価格帯スマートフォンを市場投入している中国メーカーに対抗しなければならない」(ガートナー)

サムスンも高価格帯端末で苦戦

 同様のことが、サムスンにも言えるという。サムスンの10~12月の販売台数は、1年前から4.4%減少した。シェアは中国、西欧、中南米で低下し、年間販売台数は前年から8.2%減少した。

 サムスンは中価格帯モデルに力を入れているが、この分野では、世界中で市場を拡大しつつある中国メーカーとの激しい競争に直面している。一方、高価格帯端末の分野では、アップル同様、目立った技術革新を示すことが困難な状況に陥っているという。

2018年はファーウェイが大躍進

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 これに対し、2018年に大きく躍進したのはファーウェイだとガートナーは指摘する。

 ファーウェイの昨年10~12月における販売台数は、6000万台で、1年前から37.6%増加した。この伸び率は上位5社の中で最も高い。ファーウェイは中国市場と欧州市場に強みを持つ。しかし、最近はアジア太平洋地域、中南米、中東で投資を拡大している。

 その2018年の年間販売台数は、2億290万で、アップルの2億900万台に迫った。これに伴い、シェアは前年の9.8%から、13.0%に拡大。アップル(13.4%)との差を縮めた。

  • (このコラムは「JBpress」2019年2月26日号に掲載された記事をもとに、その後の最新情報を加えて編集したものです)