米IT企業の英国への進出 、ブレグジットで勢い増す

EUは伝統的に米IT企業に厳しい制裁を科してきた(写真:ロイター/アフロ)

海外のメディアや通信社の報道によると、ソーシャルメディア大手の米フェイスブック(FB)は、来年英国における従業員数を5割増やす計画だという。

FB、英国の従業員を1.5倍に

同社は現在、英国で約1000人を雇用しているが、2017年はロンドンにより大きな本部施設を開設する計画で、それに伴い新たに500人を雇用するという。

これは、11月21日にロンドンで開催された英国産業連盟(Confederation of British Industry:CBI)のカンファレンスで、同社の欧州・中東・アフリカ地域(EMEA)担当バイスプレジデント、ニコラ・メンデルソン氏が明らかにしたもの(米ウォールストリート・ジャーナル英ロイター通信)。

フェイスブックは最近、「Workplace」と呼ぶ、企業利用に特化した情報共有サービスを始めたが、米シーネットによると、フェイスブックの英国事業はこうしたサービスを手がける、米国に次ぐ規模の開発拠点。

今後新たな役割が与えられることで、ロンドンの本部施設はより大きな技術拠点になるとシーネットは伝えている。

アップルとグーグルはロンドンに新社屋

こうした国際的な大企業の英国への投資については、今年6月に行われたブレグジット(英国のEU離脱)国民投票の結果を受け、縮小方向に向かうのではないかと懸念された。

しかし今回のフェイスブックのように、同国への投資を増やす米テクノロジー企業は少なくないと海外のメディアは伝えている。

例えばウォールストリート・ジャーナルによると、米アップルは今年9月、2021年にロンドンに新たな社屋を開設するという計画を明らかにしている。

米グーグルも先週、ロンドン中心部にあるキングスクロス駅近くに3棟の社屋から成るキャンパスを建設するという計画を明らかにした。

アマゾンも英国で事業と雇用を拡大

米アマゾン・ドットコムは今秋、音声アシスタント機器「Echo」シリーズの英国版を発売したほか、レストラン料理のデリバリーサービスをロンドンで開始した。

さらに同社は今年、ロンドンで生鮮食料品の即日配達サービス「AmazonFresh」を始めている。

ロイター通信によるとアマゾンは、2016年に入って英国のオフィス、研究開発センター、カスタマーサービスセンター、物流センターで合計3500人の雇用を創出した。来年は3カ所の物流センターで、さらに2300人を新規雇用する計画という。

このほか米IBMは11月22日、新たに英国で4つのクラウドデータセンターを建設し、同国のデータセンター能力をこれまでの3倍にすると発表した

ブレグジットの決定を受け、大企業の多くが欧州大陸への事業移転を検討する中、こうした米テクノロジー企業の動きは、英国のテクノロジーセクターにとって明るい材料だと、ロイターは伝えている。

JBpress:2016年11月24日号に掲載/原題「英国への投資を増やす米テクノロジー企業、FB/アップル/グーグル/アマゾン/IBMが投資を拡大」)