銭湯や民泊で…北朝鮮で「性売買」の低年齢化が深刻

金正恩氏(平壌写真共同取材団)

北朝鮮は新型コロナウイルス対策で国境を封鎖し、貿易さえも停止している。そのせいで経済難が深刻化する中、若い女性による売春が増加し、社会問題になっているという。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の内部情報筋によると、朝鮮労働党の平安南道(ピョンアンナムド)委員会が最近、道内の市・郡の社会安全部(警察)責任者や人民委員長(市長・郡長)を集めた対策会議を開催。その場で性売買の実態が報告され、特に平城(ピョンソン)市と順川(スンチョン)市で性売買行為が増加していることが明らかになったという。

情報筋によれば「新型コロナウイルスの影響で商売が打撃を受け、生計に窮した地元の一部の若い女性と、地方からやってきた若い女性らが駅前の待機宿泊や銭湯で売春を行い、物議をかもしている。特に、家出した10代や20代の若い層が売春にハマっていることが問題視されている」という。

(参考記事:金正恩「女子大生クラブ」主要メンバー6人を公開処刑

北朝鮮では、国家の配給システムが曲がりなりにも回っていた1980年代以前、北朝鮮には売春はほとんど存在しなかったとされる。一部にはあったが、ごく個人的な営みに限られていた。国から食糧や生活必需品、住宅に至るまで支給されていたため、多額の現金が必要なかったからだ。また、女性を様々な政治組織に加入させ、「商売」をする時間を与えなかった。

売春の拡散が始まったのは、1990年代前半からだ。この頃から、配給の回数が減り始め、暮らし向きが徐々に悪化した。「苦難の行軍」と呼ばれる大飢饉が起きた90年代後半に至っては、餓死から逃れるために売春に従事する女性が急増した。

ちなみに、情報筋が言及した「待機宿泊」とは、北朝鮮特有の民泊のことだ。北朝鮮の鉄道は電化率が8割に達しているが、やはり1990年代から深刻化した電力不足のせいで、運行中の列車が何日も止まったままになってしまう事態が当たり前になっている。乗客は列車から降りて、再び動き出すまでひたすら待ち続けなければならない。

そこに目をつけたのが、駅周辺に住む住民だ。自宅の一室を、列車を待つ乗客に宿として提供するようになったのだ。儲かると評判になり、このような宿が次から次へとできた。これが待機宿泊である。

ちなみに、北朝鮮では刑法249条の「売淫罪」により、「売淫行為を行った者は1年以下の労働鍛錬刑に処す。前項の罪状が重い者には5年以下の労働教化刑に処す」とされている。ただ、最高指導者が「風紀を正せ」などと厳命した際には、見せしめとして銃殺刑にされた事例も少なくない。

最近でも、平壌の名門大学の女子学生らを動員した売春ネットワークが当局により摘発され、主要メンバーが公開処刑されている。