東京五輪の開会式で、虹色のモコモコドレスを着て国歌を斉唱したMISIA。

 2014ソチ五輪から東京五輪までの4大会の放映権としてIOCに43億ドル(約4800億円)を払っているアメリカのテレビ局「NBC」もMISIAのドレスに注目して、ツイッターで「そうなる運命だった」と呟いた。

 NBCがMISIAのドレスに運命を感じたのは、ドレスの配色がNBCのロゴと同じだったから。NBCスポーツのツイッター・アカウントではMISIAの写真とNBCのロゴを横に並べてみせた。

 なお、虹色の旗(レインボー・フラッグ)はLGBTの象徴として知られており、虹色は「多様性」に重点を置き、五輪歴代最多となるLGBT選手が参加する今大会を表徴した色ともいえる。

 このドレスをデザインしたのは「トモコイズミ」。「トモコ・イズミ」ではなく「トモ・コイズミ」で、女性ではなく男性。自身もLGBTを公言しており、「自分のしたい格好、理想の姿で生きられる社会になるべき」と語っている。

 1988年生まれの小泉智貴氏は、千葉大学在学中に製作した洋服がセレクトショップオーナーの目にとまったことをきっかけに、自身のブランドを立ち上げた。

 2019年には世界的に有名なスタイリストのケイティ・グランドやデザイナーのマーク・ジェイコブスの協力を得て、ニューヨークのファッション・ウィークで自身初となるショーを開催した。

 インスタグラムで作品を見たグランドから「ニューヨークでショーをやらないか」とメッセージをもらった小泉氏は、

ケイティからDMをもらって、すぐに「やります! やりたいです!」と返信をしました。ショーまで1ヶ月もなかったので不安はあったのですが、でも「次のシーズンにはもう声をかけてもらえないかも」と思って。今後日本でコスチュームの仕事を続けていても得られるラッキーではないから、やらないより絶対にやったほうがいい、と。ただ、すごくプレッシャーを感じていたわけではなく、「なるようになる」くらいのマインドでいたのが良かったのだと思います。今までコスチュームの現場で失敗してきたこともたくさんあるけど、でもそこからちゃんと学んで強くなる。そういう20代を過ごしてタフさが身についたかもしれないです。(VOGUE柔軟な創造はフリルとともに。TOMO KOIZUMIの小泉智貴が語る、モードの夢。』より)

 と急に巡ってきたチャンスを見事に自分のものとして、ステップアップに繋げた。

 小泉氏がデザインするドレスのファンは日米の芸能界にも多く、レディー・ガガも小泉氏のドレスを着用したことがある。

同じ年の「こじゆう」と親交のあるTomo Koizumi

 日本の芸能界ではAKB48の卒業生で、自身もファッション・ブランド「Her lip to」を立ち上げた小嶋陽菜は小泉氏の友人であり、彼の作品を何度か着用している。

 2018年11月26日に行われたノースリーブス10周年コンサートでも、こじはる、高橋みなみ、峯岸みなみのノースリーブスのメンバーが小泉がデザインしたドレスを着用。会場のEXシアター六本木は、ノースリーブスとTomo Koizumiが作り上げた世界観に包まれた。

 ノースリーブスは活動をしていないが、公式に休止したわけでもなく、グループも解散していない。メンバー3人の気が向いたときには活動するようで、15周年となる2023年には小泉氏のドレスを着た3人の姿をもう一度拝めるかもしれない。

 また、五輪開会式の10日前、7月13日には京都の二条城でTomo Koizumi2022年コレクション発表会が開催されたが、こじはるも来場。

 小泉氏デザインのドレスを着た写真をインスタグラムにアップすると、AKB48卒業生の大島優子が「私も同じ服着たかった」とコメントしている。

Tomo Koizumi氏デザインのドレスを着用する小嶋陽菜(小嶋陽菜公式インスタグラムのスクリーンショット)
Tomo Koizumi氏デザインのドレスを着用する小嶋陽菜(小嶋陽菜公式インスタグラムのスクリーンショット)

 AKB時代から「こじゆう」として仲の良い小嶋と大島は、2019年10月に表参道で行われたTomo Koizumiの日本初となるコレクション・ショーにも出席。

 小嶋、大島、小泉の3人は1988年生まれで、「同級生」3人で撮ったスリーショットを小嶋はSNSにアップ。

 小嶋はインスタグラムに「今年NYFWデビューしたともくんの日本で初めてのショーに行ってきました ともくんのアイコニックなラッフルをたくさんつかったドレス今回も可愛かった 同い年で世界で活躍している友達の姿はとても刺激になる」と綴ると、大島も「友達のTomo Koizumiが初めての日本でのコレクションに招待してくれました ありがとう そしておめでとう 同い年の世界での活躍 刺激うけるなぁ」と投稿した。

 開会式で好評を得たドローンによる光のショーは、残念ながら日本の技術ではなかったが、日本にはTomo Koizumiのように世界から認められ、支持されているクリエーターもいる。