WBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者井上尚弥が、全階級を通じて最も強い選手を格付けしたパウンド・フォー・パウンドランキング(PFP)で、1位に選出された。

井上は7日の試合で、WBC王者で世界5階級王者のノニト・ドネアを僅か2ラウンドで下した。

パウンド・フォー・パウンドランキングとは

パウンド・フォー・パウンドランキング(以下PFP)とは、全階級を通じて最も強い選手を決めるランキングだ。

様々な媒体が独自の方法でランキングを作成している。

今回井上を1位にランクしたのは、米ボクシングの専門誌「ザ・リング」だ。ボクシング界で最も権威を持つと言われ、専門家9名の会議でランキングを決めている。

現代ボクシングは17階級と細かく別れており、一階級に4人の王者(WBA、WBC、IBF、WBO)がいる。それだけでも世界王者の多さが分かるが、さらに暫定王者、スーパー王者なども世界王者に含まれる。

そんな数多くの王者を格付けするPFPは、まさに王者の中の王者を決めるランキングといえる。

最強ランキング

今回、リング誌でのランキングでは下記のボクサーたちが選出された。

1位井上尚弥(大橋) WBA、WBC、IBFバンタム級

2位オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)WBA、IBF、WBOヘビー級

3位テレンス・クロフォード(米国) WBOウェルター級

4位エロール・スペンス(米国) WBA、WBC、IBFウェルター級

5位ファンフランシスコ・エストラーダ(メキシコ) WBAスーパーフライ級

6位サウル・アルバレス(メキシコ) WBA、WBC、IBF、WBOスーパーミドル級

7位ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)元世界3階級王者

8位ドミトリー・ビボル(ロシア)WBAライトヘビー級

9位ジョシュ・テイラー(英国)WBA、WBC、IBF、WBOスーパーライト級

10位ジャーメル・チャーロ(米国)WBA、WBC、IBF、WBOスーパーウェルター級

井上以外アジアのボクサーは含まれず、さらに5位のエストラーダを除けば、全てがライト級以上の選手となる。

中量級以上が注目される海外のボクシングで、軽量級の井上がトップに君臨するのは異例だろう。

さらに特筆すべきは、トップ10の中にジャーメル・チャーロや、ジョシュ・テイラーなど4団体統一した王者も含まれていることだ。

井上はまだ3団体統一王者だが、その王者達より高い評価を得たことになる。

また、一昔前までは世界のトレンドは、複数階級制覇だった。しかし、一つの階級に4人の王者がいるため必ずしもその階級の最強とは言えない。

そのため近年では一つの階級での王座統一が主流になりつつある。そのため現在の世界のボクシング界で重視されているのが、全階級で最強を決めるPFPランキングだ。

記録だけでなく圧倒的な強さやインパクトが評価されないと選出されない。井上は今回ついに1位となり世界から認められる存在となった。

フェザー級でも戦える

井上の次戦は、WBO王者のポール・バトラー(英国)との4団体統一戦が濃厚だ。

バトラー陣営も意欲的で、年内の開催に向けて交渉がスタートしていくのではないだろうか。

その試合に勝てば4団体統一王者の目標を達成し、階級をあげてスーパーバンタム級で挑戦していくつもりのようだ。

スーパーバンタム級には以下の王者が君臨している。

WBA&IBF ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)

WBC&WBO ステファン・フルトン(米国)

近年のボクシング界は、階級を上げて王座を獲得するより、階級に留まり王座統一したうえで、階級を上げていくのが主流になっている。

井上が4団体統一を果たし、スーパーバンタム級王者たちの間でも統一がなされたら、統一王者同士の対決もあるかもしれない。

PFPの1位に選出されたことで、世界的な知名度も高まった。パッキャオやメイウェザーがそうだったように、これからは追われる立場となるだろう。

将来的には5階級目であるフェザー級、そしてスーパーフェザー級への進出もありえる。井上は自身のSNSで下記のように投稿している。

まだ29歳と若く、パンチをもらわないので選手寿命も長いだろう。引退は35歳とメディアで語っているが、これからがピークだ。

軽量級でしかも日本人ボクサーが、世界のボクシング界でここまでのインパクトを残すとは、私が現役時代には考えられなかった快挙である。

パッキャオやメイウェザー、タイソンなど誰もが知っているようなボクシング界のレジェンドになってほしい。