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平岡アンディVS佐々木尽 異例のタイトル戦は劇的KO決着

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
写真提供FUKUDA NAOKI 全て

19日、後楽園ホールで日本&WBOアジアパシフィックS・ライト級王座決定戦が行われ日本1位の平岡アンディ(大橋)が、同級2位の佐々木尽(八王子中屋)と戦った。

佐々木が前日の計量で1.8キロオーバーして失格し、平岡が勝った場合のみタイトル獲得という変則ルールで行われた。

試合の展開

試合が始まるとオーソドックの佐々木に対して、サウスポースタイルの平岡は、サイドに周りながらジャブをついてペースを握る。

これまで11勝(10KO)とKO率が高い佐々木は、得意の左フックで平岡を狙うがなかなか捉えることができない。

途中、痺れを切らして打ち合って来いとノーガードで挑発する佐々木に対して、平岡はあくまで自分のペースを貫いた。

5R時の途中採点では、平岡が48-47、49-46×2でリードした。

中盤に入ると、佐々木もボディを狙うがパンチが単発になり平岡からの追撃をもらってしまう。

7Rには平岡の返しの右フックが入りダウンを奪われる。立ち上がった佐々木だが、追撃をもらい再びダウンした。

絶体絶命のピンチとなった佐々木だが、クリンチでなんとかこのラウンドを凌いだ。

次のラウンドでは佐々木が盛り返してパンチをまとめるが、有効打では平岡が上回る。

単発で一発を狙う佐々木に対して、平岡はアッパーを交えて多彩なパンチを打ちポイントを積み重ねる。

そして、11ラウンド。逆転を狙う佐々木に対して近い距離で平岡の右アッパーが炸裂してダウン。

なんとか立ち上がるが、効いた様子でレフリーが試合をストップした。

平岡が3度のダウンを奪い、日本&WBOアジアパシフィックS・ライト級チャンピオンとなった。

勝敗のポイント

今回の試合は無敗のホープ対決とあって試合前から大きな注目が集まった。

一撃で試合を決める佐々木か、テクニシャンの平岡かで意見も分かれる予想が多かった。

しかし、前日の計量で佐々木がまさかの計量をオーバー。当日の再計量でS・ライト級リミットの8%増以内という条件を守って試合は成立した。

その影響もあってか佐々木は、一発狙いで攻め急いでしまい平岡にパンチを当てることができなかった。

前回の試合で、ダウンを2度奪われながらの逆転劇で劇的な勝利をおさめた佐々木だったが、平岡は1枚も2枚も上手だった。

勝利した平岡は、「(タイトル戦を)2年くらい本当に待った。まず今日応援に駆けつけてくれたファンに感謝。佐々木はいい子だからこれからチャンピオンになれる。(計量オーバーも)責めないであげてください」と大人の対応を見せた。

負けた佐々木だが、過去にも計量オーバーで失格している。今回は試合直前に行う水抜きの失敗で体重を落とせなかったようだ。

今回は平岡が勝ったからよかったものの佐々木が勝利した場合は、同じ体重で試合をするというボクシングのルールが意味をなくしてしまう。

ボクシングは興行場メインのカードを中止できない事情もある。しかし、選手の公平性を保つためにも厳格なルール作りも必要になってくるだろう。

今後の平岡アンディ

世界を目指す平岡だが、ライト級以上は非常に世界の壁も厚い。

この階級は4つのベルトをジョシュ・テイラー(イギリス)が持っている。

世界ランキングもIBFで6位で、海外の大手プロモーション会社と契約を結び世界を見据えている。

これから海外の舞台で経験を積み、強豪との戦いを勝ち抜いて世界線戦にアピールしていく必要があるだろう。

日本人でこの階級で世界王者になっているのは、藤猛、浜田剛史、平仲明信の3人しかいない。

1992年から約30年近く日本人王者は誕生していない。

「世界に行きたい」と語り、親子鷹で父と一緒に世界王者になることを幼いころから目指している。

同じジムの井上尚弥のように海外で活躍する日本人ボクサーとなってほしい。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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