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井上尚弥はどう見る?バンタム級注目の一戦 カシメロVSリゴンドー

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:ロイター/アフロ)

14日(日本時間15日)アメリカのカーソンでボクシングWBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロ(31=フィリピン)と、WBA世界同級王者でWBO同級4位のギジェルモ・リゴンドー(40=キューバ)が対戦する。

この階級はWBAスーパー・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(28=大橋)がいる注目の階級だ。

ギジェルモ・リゴンドー

リゴンドーは五輪で2連覇を成し遂げ、2009年にプロデビュー。

プロ戦績は22戦20勝(13KO)1敗1無効試合で、元WBA・WBO世界スーパーバンタム級スーパー王者、現WBA世界バンタム級レギュラー王者の2階級制覇を果たした実力者だ。

サウスポーで独特の間合いを持ち、ディフェンスに優れている。

年齢は40歳とピークを超えているものの、アマチュアからプロまで250戦以上リングで戦った古豪だ。

単調な試合が多く、本場アメリカでの人気はいまひとつだが、日本ではコアなボクシングファンから人気を集めている。

2020年2月にWBAレギュラー王座を獲得した試合から、約1年6ヶ月ぶりの試合となる。

写真:ロイター/アフロ

ジョンリール・カシメロ

カシメロは、IBF世界ライトフライ級王者、IBF世界フライ級王者、そして現WBO世界バンタム級王者と世界3階級を制覇している。

一発でKOできるほどの強打が持ち味で、これまで34戦30勝(21KO)4敗の戦績を誇る。

キャリアの中で出世試合となったのは、2019年11月に行われたゾラニ・テテ戦だろう。

バンタム級で井上尚弥のライバルとされていた難敵テテを僅か3ラウンドで攻略した。

一時期はドネアとの対戦も決まっていたが、カシメロがドーピング検査拒否を示唆し、白紙となった。

今回、約1年ぶりの試合となる。

勝敗の行方は

ディフェンスと技術のある古豪リゴンドーと、強打と勢いのある気鋭カシメロとの対戦は世界中から注目を浴びている。

予想としてはリゴンドーが持ち前の戦いづらさを発揮して、カシメロを翻弄し判定勝利する可能性が高い。

しかし、前半に勢いのあるカシメロの強打が炸裂すれば、カシメロのKO勝利もあり得るだろう。

この試合の勝者が2つのベルトを持つ井上尚弥と対決する可能性が高い。

現在バンタム級は以下の王者たちが君臨している。

WBAスーパー &IBF 井上尚弥

WBAレギュラー ギジェルモ・リゴンドー

WBC ノニト・ドネア

WBC暫定 レイマート・ガバリョ

WBO ジョンリール・カシメロ

井上は次戦ノニト・ドネアとの再戦が計画されている。井上がドネアに勝てばWBCのベルトも吸収し3つのベルトを所持する。

試合の模様は、15日のWOWOWエキサイトマッチで放送され、井上尚弥がゲスト解説で登場する。対戦が望まれるライバル同士の対決を井上はどう見るのだろうか。

早ければ、来年の春頃にはバンタム級史上初となる4団体統一戦が実現するかもしれない。

熾烈を極めるバンタム級戦線から目が離せない。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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