アマチュアボクシング関係者からよく聞かれるボクサーがいる。女子フライ級代表の並木月海(22)だ。

25日に行われた初戦ではキャサリン・ナンジリ(ウガンダ)と戦い、得意のフットワークとストレートでペースを握り5-0で圧勝した。

アマチュアボクシングの採点基準

並木の武器は破壊力のあるストレートだ。踏み込みが早く体重をうまく乗せているため相手にとっては脅威となる。

アマチュアボクシングではKOでの決着が少ない。理由は握りにくいグローブの影響だと言われている。

アマチュアのグローブはプロのグローブと違いナックルの部分が厚く、パンチが当たってもそこまでダメージを与えられない。

ダウンやKOは少ないアマチュアボクシングでは、クオリティブローが採点の基準となる。

クオリティブローとは、下記の基準で判断される。

・ナックルパートで当たったパンチ

・体や肩の重みを伴うパンチ

・ターゲットエリアへのパンチ

・きれいに当たったパンチ(妨げられずふせがれず)

・反則を伴わないパンチ

・ジャッジがはっきりと自分の目で確認したパンチ

クオリティブローのヒット数を競うアマチュアだからこそ、見栄えのいいパンチを打つことが勝利に繋がる。

並木のパンチは見栄えが良いので、ポイント重視のアマチュアで大きな武器となる。

並木のボクシング

自身のボクシングについて「身長が低いのでフットワークを駆使する。相手のパンチをわざと引き出して、自分のパンチをどれだけ当てられるかがポイントになる」と話していた並木。

身長は153cmと小柄だが、踏み込みが鋭いので一気に距離を詰めることができる。また、蹴り脚が強いので踏み込みが勢いとなりパンチ力も強い。

一度取材で練習を見学した際に、男子高校生と実践練習していたが、男子選手が驚くほどのパンチを打ち込んでいた。

並木は2019年のアマチュアボクシングの女子年間最優秀選手にも輝いている。五輪に向けてのアジア・オセアニア予選でも、強豪相手に一歩も引かない戦いで決勝戦まで勝ち進んだ。

ボクシングを始めたきっかけ

幼稚園から極真空手を始め、小学校に上がるとキックボクシングを始めた。

並木はキックボクサー那須川天心と幼馴染で、彼から刺激を受けているようだ。

「天心は格闘技を盛り上げている。自分も東京五輪で金メダルをとってボクシングの魅力をもっと知ってもらいたい」

幼い頃から将来を期待されていたが、普通の女の子になりたいと格闘技から離れた時期もあったようだ。

しかし、刺激のない生活に飽きてしまい高校からボクシングを始めた。

ボクシングの名門・花咲徳栄高校に進学し、1、2年生で全日本選手権と高校選抜で優勝、3年生でインターハイ優勝を果たした。

2018年には世界選手権で銅メダル獲得を獲得し、一気に飛躍したものの、社会人の時に負けを経験し一時期は辞めることも考えたようだ。

「多くの人の応援があったから辞めないでここまでこれた。東京五輪で恩返ししていきたい」と話している。

女子初のメダル獲得に向けて、次戦は29日にグラジエレ・ソウザ(ブラジル)と対戦する。

「最高の舞台で最高の試合をしたい。女子ボクシングを知ってもらうきっかけを作りたい」

女子ボクシング初の金メダル獲得に期待したい。

FUKUDA NAOKI撮影
FUKUDA NAOKI撮影

【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】