史上初ヘビー級4団体統一戦 ジョシュアとフューリーのイギリス人対決が合意
ボクシングWBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級統一王者のアンソニー・ジョシュア(31=イギリス)とWBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(32=イギリス)との4団体統一戦が合意したと報道された。
ヘビー級の4団体統一戦はボクシング史上初となる。
ヘビー級の歴史
ボクシングといえばヘビー級(90.719キロ以上)といわれるほど人気のある階級だ。
一時はタレント不在が取り沙汰されていたが、最近ではジョシュア、フューリー、デオンテイ・ワイルダーなど個性的な選手達が進出し盛り上がりを見せている。
歴史が古いヘビー級だが、意外にも4団体を統一した王者はいない。
現在、世界タイトルはWBA、WBC、IBF、1988年WBAから分裂したWBOの4団体が統括している。
過去に3団体統一を成し遂げた王者たちは、以下の通りだ。
ちなみにマイク・タイソンは、3つの統括団体(WBA・WBC・IBF)の時に3団体統一している。
世界チャンピオンになると指名戦や、プロモーターとの契約の関係で王者同士の統一戦は非常に難しい。
4団体統一戦は、実力だけでなく運やタイミングにも左右される。
ジョシュアについて
3つのベルト(IBF・WBA・WBO)を持つジョシュアはロンドン五輪スーパーヘビー級で金メダルを獲得しプロデビューを果たした。
戦績は25戦24勝22KO1敗と高いKO率を誇り、プロデビューから20戦連続KO勝利の記録を持つ。
身長198cm(リーチ208cm)と恵まれた体格で、長身から放たれる右ストレートを武器に勝ち上がってきた。
2016年に初の世界タイトルを獲得し、2018年には無敗でWBA・IBF・WBO世界ヘビー級王者になった。
2017年に行われた防衛戦では、伏兵のアンディ・ルイス・ジュニアにKOで敗れタイトルを失ったものの、ダイレクトリマッチに勝利してタイトルを奪還、現在ヘビー級の3つのベルトを持っている。
イギリスでも非常に人気のあるボクサーで、9万人を動員できるスタジアムを満員にさせる集客力を持つファイターだ。
フューリーについて
フューリーはイングランド出身のプロボクサーで元WBAスーパー・IBF・WBOヘビー級統一王者だ。
現在はWBCのベルトを持ちこれまで31戦30勝21KO1分で無敗の戦績を誇る。
身長206cm(リーチ216cm)と大型だがヘビー級とは思えない驚異的なスピードをもつ。
2015年には当時最強と言われたウラジミール・クリチコに判定勝利をおさめWBAスーパー、IBF、WBOを獲得した。
しかし、その後のキャリアは波乱万丈で、2016年の抜き打ち検査で発覚した薬物の陽性反応、躁うつ病などで一時は引退の話題もあがった。
その後復帰を果たし、2018年にはヘビー級最強と言われたWBC王者のワイルダーに挑戦。
初戦は三者三様の引き分けとなったが、再戦でワイルダーを7回TKO勝ちで破り、WBC王座を獲得した。
ヘビー級頂上決戦
待ちに待ったヘビー級の頂上決戦。
今回のビッグマッチは、2試合の契約で第1戦は6月又は7月、第2戦は11月又は12月の予定だ。
双方に支払われるファイトマネーは1億ポンド(約151億円)を超えると言われている。
超ヘビー級と言われる二人の対戦は迫力があるだろう。
パワーがあるジョシュアか、スピードと技術があるフューリーか、見応えのある試合となりそうだ。
ヘビー級が盛り上がるとボクシング界全体が活性化する。3団体統一でタイソンが時代を作ったようにこの試合で新たなスターが誕生するだろう。
無差別級のヘビー級は特別な階級だ。世界最強ボクサーを決める史上初の4団体統一戦に注目だ。