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井岡一翔のタトゥー問題 日本のリングで見られなくなる可能性も

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
写真提供 FUKUDA NAOKI全て

ボクシング4階級王者でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(31=Ambition)が、大晦日に行われた試合でのタトゥー露出が原因で処分が検討されていると一部メディアで報道された。

この試合は史上最高の日本人対決と呼ばれ、3階級王者で無敗の田中恒成(25=畑中)を井岡一翔が8ラウンドKOで下しタイトルを防衛した。

タトゥーについて

日本ボクシングコミッション(JBC)のルールでタトゥーは禁止されており「入れ墨など観客に不快の念を与える風体の者」は試合に出場できない決まりがある。

そのため出場する選手はファンデーションなどで隠す必要がある。

過去には皮膚移植して入れ墨を消し、リングに上がるボクサーもいたほどだ。

今回は、試合中に井岡の左腕のタトゥーが露出していたことが問題視された。

私は現地で試合を観戦していて、あまり気にならなかったがテレビで見たら余計に目立たのかもしれない。

今回の試合後にこの件でJBCに苦情のメールが殺到し、井岡への処分を下す方針を固めたようだ。

タトゥーの弊害

一方海外ではタトゥーを入れているボクサーは多い。

6階級王者のマニー・パッキャオや、元ヘビー級統一王者のマイク・タイソン、3階級王者のワシル・ロマチェンコなどのトップボクサーがタトゥーをいれている。

選手からしたら、海外の選手はOKで日本だけ禁止されているのも疑問が残る。

日本では入れ墨=反社を連想させる特有の倫理観が影響しているためイメージが悪いのだろう。

パフォーマンス面では、皮膚呼吸がしづらくなるなどマイナスな部分もあると聞く。

リングに上がるものは公平であるべきで、ファンデーションを塗ることでのメリットやデメリットもあるかもしれない。

時代に合わせてルールを変えていく必要もあるが、プロスポーツである以上視聴者の反応は真摯に受け止めなければならない。

ボクシングファンからも今回の件について以下のような意見が寄せられた。

「これは日本の歴史であり文化風習。急に変わるものではないし、急に変えてもいけない。井岡選手が刺青を入れるのは自由であると同時に、これを不快に感じる自由もある」

「明らかにルール違反、井岡選手にはきちんと隠して欲しかった」

「強い選手、興行的に優位な人がやっちゃった勝ちということがまかり通ってしまったら、一般社会としては「残念な業界」とみられてしまう一面もある」

「イメージだけの問題ではなくMRI検査が受けられなくなるリスクがあるのでタトゥーは入れないほうが選手本人にとってもいいのではないか」

など、様々な反応だった。

今後の井岡の動向は

本人は昨年の8月に自身のYouTubeチャンネルでタトゥーを入れた理由について詳しく語っている。

動画の中では「本気でやるきっかけ。これをしたら逃げれないという決意表明でした」と話している。

海外でも数多く試合した井岡は日本と世界のギャップも感じ、日本のボクシング界を自ら変えていきたいという思いもあるようだ。

日本で試合ができないなら、海外を主戦場とするとまで話していた。

今後について「ボクサーとしての価値を上げるためにも海外に出て、世界の井岡に知名度を上げていく」と展望を語った。

次戦はスーパーフライ級での統一戦を目論んでいる。

3月には同階級のWBA王者ローマン・ゴンザレスとWBC王者ファン・フランシスコ・エストラーダが対戦する予定だ。

その勝者との対戦を熱望している井岡は「日本でダメなら海外を拠点にする」と話しているほどだ。

今後は日本のリングに立たずに海外を主戦場とすることも大いに考えられる。

大晦日の試合は、年間最高試合と呼ばれるほどの試合だった。

その試合が評価され、全階級最強を決めるパウンド・フォー・パウンドの最新ランキングでは2位の井上尚弥についで10位にランクされた。

世界でも評価された井岡が、今回の件が原因で日本から離れてしまったら残念だ。

処分内容の発表に注目が集まる。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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