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メイウェザーはなぜ引退してからも対戦を望まれる特別な存在なのか

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:REX/アフロ)

ボクシング元世界5階級制覇王者のフロイド・メイウェザー(アメリカ)が、来年の2月28日新格闘技イベントMEGAに出場すると発表された。

メイウェザーとは

メイウェザーは無敗で5階級制覇を達成したレジェンドだ。

圧倒的なスピードと神業的なディフェンス技術を持ち、プロ戦績は50戦50勝(27KO)でダウン経験はほとんど無い。

現役時代には6階級王者のオスカー・デラホーヤやマニー・パッキャオ、現役最強と言われるサウル・カネロ・アルバレスにも勝利している。

2015年に引退を表明し、以降は公式戦として総合格闘家のコナー・マクレガーとのボクシングルールで戦い勝利。

2018年の年末には日本のキックボクサーの那須川天心とエキシビションで戦い、1回TKOで勝利を収めた。

現在は44歳となりピークは過ぎているが、いまだに世界中から注目を集めている。

才能と努力で築き上げた

派手な演出と金遣いの荒さから、マネーの愛称を名乗っているメイウェザー。

彼のファイトマネーは桁違いでパッキャオ戦で300億円、マクレガー戦で330億円、前回の天心とのエキシビションでは10億円稼いだと言われている。

アメリカの経済誌フォーブスが発表するスポーツ選手長者番付では、2015年に3億ドルを稼いだとして1位に輝いた。

この記録は歴代最高年収でいまだに破られていない。一部報道では、現役生活で1000億円以上も稼いだとの話もある。

派手な私生活やパフォーマンスに注目が集まるメイウェザーだが、ボクシングのトレーニングには誰よりも真摯に取り組んでいる。

現役の時代には、毎日20kmのロードワークとトータルで40ラウンドを超えるジムワークを黙々とこなしていて、これは通常のボクサーの倍近くの練習量だ。

「お前が休んでる時、俺は練習している。お前が寝ている時、俺は練習している。 お前が練習している時、もちろん俺も練習している」

という格言を残している。

ボクシング一家に育ったメイウェザーは幼い頃から英才教育を受け、類まれな才能と努力でここまでの地位を築き上げてきた。

気になる対戦相手

日本のボクシングコミッションのルールでは、プロボクサーが他の格闘技イベントに参加する事を認めていない。

そのため、対戦相手が現役ボクサーになることはないだろう。

一部メディアの報道では、総合格闘家の朝倉未来が有力のようだ。YouTuberとしても絶大な人気を誇り、朝倉も対戦を望んでいるとの話もある。

そうなると対戦ルールが気になるところだが、メイウェザーがボクシング以外のルールで応じるとは考えにくい。

キックや投げ、関節技ありの総合格闘技とパンチだけに制限されたボクシングでは、スキルも変わってくる。

メイウェザーが総合格闘家のマクレガーとボクシングルールで戦った時も相手にならなかった。

短いラウンドで1発先に当たれば面白い展開になるが、メイウェザーのディフェンス技術は非常に高い。

総合で圧倒的な強さを誇る朝倉選手でも、ボクシングルールだと部が悪い。

話題性は大切だが、メイウェザーをアッと言わせるような展開を期待したいところだ。

最近マイク・タイソンやロイ・ジョーンズなど、レジェンドの復帰で話題を集めているなか、今回のメイウェザー復帰でさらに注目が集まっている。

最有力とされる相手候補の朝倉未来は、本日行なわれるRIZIN.25に出場するため、その結果次第になるだろう。

ボクシングを含めた格闘技界隈で、最も稼いだメイウェザー。戦うだけで世界的な注目が集まり、知名度と影響力が手に入る。

そんな、メイウェザーと戦いたい選手は多い。引退してからもなお、主役でい続ける存在だ。今後の動向から目が離せない。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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