タイソンと対戦するロイ・ジョーンズはボクシング史上最高の身体能力を持つボクサー
11月28日、ボクシング元世界3団体ヘビー級統一王者マイク・タイソン(54=アメリカ)が、4階級王者ロイ・ジョーンズ・ジュニア(51=アメリカ)とエキシビションマッチで対戦する。
引退したレジェンド同士の対決はボクシングファンの間で大きな話題を呼んでいる。
タイソンの電撃復帰
マイク・タイソンは、史上最年少20歳でヘビー級のタイトルを獲得し、WBA・WBC・IBFの3つのベルトを統一している。
ヘビー級としては小柄な選手だが、重量級とは思えないスピードを武器に体格の大きい相手をなぎ倒してきた。
栄光と挫折を繰り返し、刑務所への収監、耳噛み事件などでも話題を呼んだ。
破天荒なキャラクターからボクシング界で最も知名度があると言っても過言ではない。
そんなタイソンが5月に自身のSNSで「アイム・バック」とミット打ちのトレーニング動画を公開。現役さながらの迫力ある動きにファンからたくさんのコメントが寄せられた。
引退してから15年経つが、いまだに人気のあるボクサーだ。
最高の身体能力を持つロイ・ジョーンズ
タイソンと対戦するロイ・ジョーンズは輝かしい経歴を持つボクサーだ。
ソウル五輪で銀メダルを獲得しプロデビュー。その後は破竹の勢いで勝ち続け、ミドル級からヘビー級までの4階級を制覇している。
ミドル級出身でヘビー級の王座を獲得した史上2人目のボクサーとして圧倒的な強さを誇った。
スタイルは重量級でありながら破格のスピードを活かしたボクシングで、一撃で相手をノックアウトしてきた。
ボクシング史上最高の身体能力を持つ選手との呼び声も高い。他の競技にも優れ、過去にはバスケットのアメリカの独立リーグでプレーしていたこともある。
ガードを下げたり、手を後に隠してパンチを打ったりトリッキーな動きを見せ、イマジネーションに溢れたボクシングでファンを魅了した。
全盛期では、全階級の中でも最も強いと言われパウンドフォーパウンド(PFP)とも言われていた。
プロ戦績は75戦66勝(47KO)9敗、2016年までリングに上がっていた。
試合について
試合はエキシビションマッチとして2分8ラウンドで行われる予定だ。
復帰に向けてモチベーションが高いタイソンは、鍛え上げた体で豪快なミット打ちをSNSにアップしている。
パワーのタイソン、スピードと技術のジョーンズ。短いラウンドであればパワーのタイソンが押し切れるが、長丁場になると技術のジョーンズが有利だろう。
引退した時期もタイソンが2005年に対して、ジョーンズは2015年。年齢はタイソンが54歳に対して、ジョーンズは51歳と年齢は近いがキャリアが違う。
現役から遠のいていた時間が長いほど、体や感を取り戻すのは難しい。
その点ではタイソンが不利かもしれないが、彼の近況を見ると復帰に向けて本格的なトレーニングを始め、ミット打ちでもキレのいいコンビーネーションを披露していた。一発が当たればKO決着もあり得るだろう。
当日はタイソンの仕上がりにも注目したい。
両者が現役の時に見たかったカードではあるが、どんな展開になるのか非常に楽しみだ。