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53歳のレジェンドボクサーが復帰 タイソンがSNSで破壊力のあるパンチを公開

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:ロイター/アフロ)

タイソンがミット打ちを公開

ボクシングの元世界統一ヘビー級王者マイク・タイソン(53)がSNSにミット打ち動画を公開した。

この動画は1000万回以上再生され、大きな注目を集めた。

動画では、タイソンがワンツーフックからボディを連打。最後に代名詞でもあるウィービングから右ストレートを放つ。

あまりの威力にミットを持っているトレーナーが吹き飛ばされそうになっている。

ボクサーは年齢とともに反射神経は落ちてくるが、筋力や長年染み付いた動きはそうそう落ちるものではない。

3ラウンドだったら一般人は相手にならない、タイソンほどの選手ならプロの選手でも互角に戦えるだろう。

現在タレントが揃っているヘビー級だが、タイソンに並ぶほど認知されているボクサーはいない。

引退して15年になるが、未だボクシング界のカリスマ的存在だ。

2月に行われたヘビー級のタイトルマッチでも、ライバル王者だったイベンダー・ホリフィールド(アメリカ)、レノックス・ルイス(イギリス)と共に紹介されたが、一際大きな歓声を浴びていたのはタイソンだった。

タイソンの経歴

身長が2mを超えるボクサーが集まるヘビー級で、タイソンは180cmと小柄な体格だったが、スピードとパワーで圧倒した。

デビューから19連続KO勝利を続け、28戦目で王者トレバー・バービック(カナダ)を2ラウンドでKO、WBCヘビー級王座を獲得した。

その後、2つのベルトを獲得し3団体を統一した。一時代を築いたチャンピオンだったが、その栄光は続かなかった。

日本の東京ドームで行われた、ジェームズ・ダグラス(アメリカ)との試合でまさかの敗北。

再びヘビー級王者に返り咲いたが、2度目の防衛戦でイベンダー・ホリフィールドに敗北。

続く再戦では、2Rでクリンチを嫌がるタイソンがホリフィールドの耳を噛み切り失格。一年間のライセンス停止処分を受けた。

この試合は世紀の噛み付きとも称された「耳噛み事件」としてボクシング界に刻まれた。

その後、試合数も減り2005年6月にケビン・マクブライド(アイルランド)戦での敗戦を最後に20年のプロキャリアに終止符を打った。

タイソンの復帰

現在、チャリティーマッチでの復帰を目指しトレーニングに励んでいる。

タイソンの影響力は凄まじく、復帰の話題は瞬く間に世界中に拡散された。

他のチャリティーマッチのオファーも多数あるようで、対戦相手として、ライバルで元ヘビー級統一王者のイベンダー・ホリフィールド、

世界3階級王者ジェームズ・トニー(アメリカ)、ラグ ビー元ニュージーランド代表でボクサー経験もあるソニー・ビル・ウィリアムズ(ニュージーランド)が浮上している。

再び公開されたSNSには、様々なシーンでのミット打ち動画が投稿された。

最後に「アイム・バック」とコメント。復帰に向けて現在もトレーニングを続けているようだ。

25秒ほどの映像になるが、重さのある左フックやコンビネーションを放っている。

動きを見る限り、全盛期と比べたらスピードは衰えているが、パンチの重さや破壊力は健在だ。

多くのボクシングファンはレジェンドボクサーの復帰に喜びの声を上げているが、一方で、危険との声も挙がっている。

53歳という年齢、15年という長いブランクが選手に与える影響は計り知れない。

私は引退して4年経つが、過酷なリングに戻るのは覚悟がいる。タイソンのリング復帰へのモチベーションが気になるところだ。

まだチャリティーマッチの日程や対戦相手は決まっていないが、復帰が待ち遠しい。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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