ナースボクサー津端ありさ 五輪に向けてのアジア予選は「楽しみと不安」

写真提供全て FUKUDA NAOKI

ボクシング競技の東京五輪に向けてのアジア予選が、ヨルダンの首都アンマンで開催されている。

日本選手団は男子6名、女子5名の選手が本戦出場を目指し、決戦の舞台に立つ。

本日初戦を迎えるのが、女子ミドル級(75kg)代表の津端ありさ(西埼玉中央病院)だ。

津端は普段は、看護師として勤務している二刀流女子ボクサーだ。東京五輪に向けて単独インタビューした。

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きっかけはダイエット

ーーー:ボクシングは、どういうきっかけで始めたのですか。

津端:ダイエットです。もうヤバいと思ってボクシングジムへ行きました。

ーーー:どこのジムですか。

津端:所沢のコサカジムです。

ーーー:ボクシングでどれだけ痩せたのでしょうか。

津端:ボクシングでは15kgぐらいは痩せていますね。選手になる前に10kgぐらいすぐ落ちたので、かなり痩せました。

今は逆に痩せ過ぎてしまって、食べないとミドル級をキープできません。

ーーー:では練習や合宿生活をしていて、どんどん痩せていってしまう感じですか。

津端:そうですね。もう(一階級下の)ウェルター級でも良いぐらいです。

ーーー:いつ頃からボクシングを始めたのでしょうか。

津端:仕事をしながら、2年前からダイエットで始めた感じです。

ーーー:いきなりこうなるとは、思わなかったのではありませんか。

津端:思っていないです。今でも思っていないですね。

ーーー:やっているうちに、だんだん火がついてきたのですか?

津端:そうですね。選手でやっている女性の方もいて、その方々と対人の練習をしているうちに、「選手として全日本選手権に出てみれば」と言われ、そこから選手を始めました。

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わずか2年で全日本制覇

ーーー:今までの成績は。

津端:1戦1勝で、全日本選手権で優勝しました。

ーーー:1戦1勝なのですね。ボクシングのスタイルはどうですか。

津端:中に入っていくスタイルです。右のファイターですね。

ーーー:強みは何でしょうか。

津端:強みは、悪い意味でも良い意味でも、打たれ強い。打たれ続けています。

ーーー:ボクシングは楽しいですか。怖いですか。

津端:楽しいです。正直、代表に選ばれてからは、痛いとか怖いとかいう感情も出てくるようになりましたが、今も楽しいです。

ーーー:運動はもともと好きだったのですか。

津端:そうですね。バスケ部だったので、動くことは好きでした。

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ナースとボクサーの二刀流

ーーー:今まで挫折や苦労はありましたか。

津端:強化合宿でカザフスタンや海外の方と初めて対戦して、パワーの差を見せつけられて、心も折れたというか…。

世界は強いなと思いました。でも、コーチの皆さんが励ましてくれ、一生懸命教えてくれているので、また頑張ろうと思いました。

ーーー:ボクシング歴2年は、おそらく皆の中で一番少ないですよね。練習はきつかったりしますか。

津端:きついです。でも練習の合間の時間は結構あるので、その時間でどうにか休みも取れています。

ーーー:たしかにバスケに比べたら、シャトルランなどはなさそうです。

津端:そうですね。練習メニューは、意外と短時間でちゃちゃっと終わる感じです。

ーーー:今まで一番うれしかったことはありますか。

津端:ずっと仕事をしながら練習をしていたので、全日本で優勝して結果に繋がったのはうれしかったです。

ーーー:オリンピックへの思いはありますか。

津端:正直、私は東京のオリンピックに出たいという気持ちでボクシングをやっていたわけではありません。

でも、たまたまこういうふうに(オリンピック予選に)つながったので、家族や(職場である)病院の方、患者さんなど、皆に少しでも楽しんでもらえるように、出られたらいいなと思っています。

ーーー:皆はとてもびっくりしているのではありませんか。

津端:皆すごくびっくりしています。

ーーー:そうですよね。

津端:私が何かのニュースなどに出るたびにすごくびっくりしています。

応援を力に

ーーー:まもなくアジア予選がありますが、楽しみなところもありますか。

津端:楽しみと不安ですね。

ーーー:ボクシングの合宿に来ているときは、仕事は休みになるのですか。

津端:はい、今は休みを頂いていてて、合宿の合間でまた仕事に復帰して、また合宿に入るときはお休みを頂いてます。

シフトの調整をしてもらっていますね。

ーーー:職場の皆さんは応援してくれていますか。

津端:皆かなり応援してくれていますし、シフトの調整でも皆にかなり迷惑をかけています。(ボクシングを続けられるように)シフトの調整などで優遇してくれています。

ーーー:なるほど。オリンピックに限らず今後の目標などは何かありますか。

津端:オリンピックに出るというのは、最終結果につながってくれたらうれしいところですが、今回のこの合宿も、世界での予選もやり切ることが目標です。

教えてもらったことを全て試合に丁寧に出していけたらいいかと。それが結果につながってくれたらいいと思っています。

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津端ありさ(つばた・ありさ)

1993年生まれ。埼玉県出身。専門学校を卒業後に看護師として勤務。

ダイエット目的でコサカボクシングジムに通い、ボクシングを始める。

長身とバスケットボールで培ったフィジカルを生かし、競技歴わずか2年で2019年に全日本選手権制覇。