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亀田興毅 天心戦に向け公開練習 「タイミングバッチーンと入れて倒しにいく」

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
スタッフ撮影 協栄ボクシングジム

ボクシング元世界3階級王者の亀田興毅(32)が、キックボクシング世界王者の那須川天心(20)とボクシングルールで対戦する。

この試合は、6月22日(土)AbemaTVの3周年記念番組「1000万円シリーズスペシャルマッチ 那須川天心VS亀田興毅」で、生放送される。

この試合に向けた公開練習が、都内の協栄ボクシングジムで行われた。

筋トレと食生活で肉体改造

会場に現れた亀田を見て、まず驚いたのは、盛り上がった胸筋だ。

今回の試合に向けて、筋力トレーニングをメインに体を仕上げているようだ。

天心は、ボクシングだとフェザー級(57.15 kg 以下)あたりの体重で試合をしているため、スーパーフライ級(52.16 kg 以下)で試合をしていた亀田より、2〜3階級上になる。

ボクシングでは、「体格差」がアドバンテージとなる。

亀田はそれを補うためにトレーニングと、食生活の両面から肉体改造をしているようだ。

引退時は1日1食の生活だったが、2食に増やした。

エネルギー源となる炭水化物と、タンパク質となる肉をメインに食事をとっている。

ここから体を大きくして、無駄な肉を削り体を絞っていく。

現段階でも体脂肪は8パーセントをキープしているようで、試合に向けてストイックな一面も垣間見えた。

本人は「スイッチが入らないとやれない」と話し、昨年、5月に復帰戦を行ってから、トレーニングは一切していなかったようだ。

試合まで、あと3週間。これから本格的なボクシングのトレーニングに移行し、仕上げていくと語った。

全てスタッフ撮影
全てスタッフ撮影

平成で活躍した亀田と令和の時代を創る天心

「これからを背負っていくファイターと戦えるのは光栄」と天心をリスペクトしていた。

実力については、「ボクシングうまい。しかし、フェザーだとまだパワーが物足りない」と率直な印象を語った。

まだ、詳しいルールは未定だが、本人は

「グローブが大きかろうが、ヘッドギアをしていようが、いいタイミングでパンチが入れば倒れる。タイミングバッチーンと入れて、倒しにいく」

「ベストコンディションに仕上げて天心を葬り去りたい」と意気込みを語ってくれた。

亀田は会見の最後に「俺は時代が変わっても、いつまでもいる。令和には必要ないと言われても亀田はしぶとい、いつまでも消えない」と冗談交じりに話していた。

平成の時代で活躍した「亀田興毅」。これから時代を作っていく「那須川天心」。このタイミングで2人が対決するのは、非常に興味深い。

ボクシングを盛り上げたい

亀田が今回の企画に賛同したのは理由がある。なぜ今、リングに上がるのか。

その理由を、「前回のトーナメントで元世界王者の姿を見て火がついた」と話した。

だが、その根底にある戦うモチベーションは、「ボクシングへの愛」だ。最近は、RIZINやK1など格闘技が盛り上がっている。

だがボクシングは、視聴率や集客なども含めて苦戦している。亀田は、ボクシング業界の衰退を肌で感じているようだ。

世界戦もテレビで放映されない試合が多い。ボクシングの聖地後楽園ホールでの試合は、空席も目立つ。

そして、ジム経営も他の業界に押されて厳しい。それにより、プロボクサーの人数も減少しているのが現実だ。

この現状を変えていきたい。自分が育ってきた、スポーツだからこそ、その魅力をもっと伝えたいという思いがある。

亀田は、日本で抜群に知名度がある。本人は、自分を通してボクシングを知ってもらえる機会になるならと、今回の試合への出場を決めたようだ。

だからこそ、「中途半端な試合はできない、リングに上がるときは本気で仕上げていく」と語った。

現役を退いてから、もう一度戦うにはエネルギーがいるだろう。だが、ボクシングが大好きで、業界を盛り上げたい気持ちは人一倍強い。

この試合をきっかけにボクシングを知ってもらえる機会になればと思う。この男なら何かやってくれそうな予感がする。

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元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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