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メイウェザーに続きパッキャオ 日本が世界格闘技の中心になるか 

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:Shutterstock/アフロ)

4月9日に都内のホテルで、5階級王者フロイド・メイウェザー・ジュニア(42)が記者会見を行なった。

日本でのエキシビジョンマッチ開催や宿敵マニー・パッキャオとの再戦、自身がプロデュースする、格闘技イベントを年内にも日本で開催すると発表した。

関係者によれば、メイウェザーは元ミドル級世界王者の村田諒太との対戦にも興味を示しているという。

パッキャオとの再戦は?

同日、格闘技団体のRIZINがパッキャオと契約を交わし、彼が推薦する選手が那須川天心と対戦すると発表した。

パッキャオが参戦する訳ではないが、4月21日(日)横浜アリーナで開催される『RIZIN.15』に来場する予定だ。

ここにメイウェザーも来場する事になれば、世紀の一戦で世界を騒がせた2人が集まるイベントとなる。世界的にも注目され、大きな話題となるだろう。

メイウェザーの会見の中では、パッキャオとの再戦の話題も出た。しかし、引退しているため再戦には興味がないようだった。

メイウェザーは、2015年9月にボクシングのラストファイトを行った。そして、2017年8月に総合格闘家のコナーマクレガーと復帰戦を行ない、2018年12月に那須川天心とエキシビジョンマッチをした。

メイウェザーは無敗でいる事に価値を置いている。栄光にキズがつくような公式戦を、行うつもりはさらさらないのだろう。そのため、今後はエキシビジョンマッチが中心になるようだ。

村田諒太とのエキシビジョン

報道の中では、興味深い話もあった。メイウェザーとエキシビジョンマッチをする候補者が、2名挙がっているようだ。

そのうちの1人は日本で最も強く、人気がある「村田諒太」だ。日本の現役プロボクサーは、JBCルールに抵触するため、エキシビションマッチであっても格闘技イベントに参加することはできない。

だが、もし試合が実現すれば話題性はある。しかし、メイウェザーが戦うのには、村田は非常にリスクのある相手だろう。

例えメイウェザーであっても、村田との階級の差は大きい。現役時代も対戦が望まれていた、ミドル級のスーパー王者であるゲンナジー・ゴロフキンとの対戦は避けていた。

メイウェザーは、ウェルター級でも小柄な部類に入るため、ミドル級には決して立ち入らない。もし、戦ったら村田のパワーと圧力で、メイウェザーの牙城が崩れる可能性はある。

個人的にはぜひとも観たいが、メイウェザーお得意のリップサービスだろう。常に話題を振りまき、セルフプロモーションも欠かさない。彼の今後の動向から目が離せない。

世界の格闘技の中心となる日本

ここ最近のRIZINの勢いには、目を見張るものがある。

昨年末に行われた、メイウェザーVS那須川天心の試合を皮切りに、今回のパッキャオの来日と非常に大きな話題を集めている。

日本の格闘技界は戦国時代となり、世界から大きな注目を集めている。

先日は、シンガポールの総合格闘技団体でアジアを中心に活動している、ONE Championshipの初の日本大会が行われた。

会場の両国国技館は満員になり、盛り上がりを見せた。

他にも、立ち技格闘技のK-1をはじめ、様々な団体がある。それぞれが、プロモーションや演出にこだわり集客に繋げている。ここ最近は、選手のSNSがきっかけで試合が決まるケースも増えてきている。

まもなく、平成の時代から令和の時代に移行していく。プロデュースも時代に合わせて、変わってきている。

個人的には団体など関係なく、格闘技界全体が、垣根を超えて盛り上がってほしい。

いいものだから人が集まる時代ではないし、それぞれが協力し、切磋琢磨して盛り上げていく必要がある。

最近、メイウェザーにパッキャオと海外の大物スターが日本に活動の舞台を広げている。この大きなムーブメントを活かして、日本が格闘技界の中心となり、業界全体が盛り上がっていく事に期待したい。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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