Yahoo!ニュース

キャサリン皇太子妃の家族写真にフェイク疑惑 本人が「時折編集」と釈明

木村正人在英国際ジャーナリスト
キャサリン皇太子妃の家族写真を巡ってフェイク疑惑が浮上(C)ケンジントン宮殿

■写真は「加工」と通信社4社が取り下げ

[ロンドン発]今年1月、腹部の手術を受け公務から離れたキャサリン皇太子妃(42)がジョージ王子(10)、シャーロット王女(8)、ルイ王子(5)の3人と一緒に写った写真が「母の日」の3月10日、英ケンジントン宮殿から公開された。

キャサリン妃は「この2カ月間、温かいお気持ちと変わらぬご支援をありがとうございます。皆さまにとって良い母の日となりますように」とX(旧ツイッター)に写真を投稿。しかしXは注釈として「『加工』の懸念で通信社4社が取り下げ」という英BBC放送のニュースを添えた。

昨年のクリスマス、英ノーフォーク州サンドリンガムの聖メアリー・マグダレン教会の礼拝に家族で参加して以来、キャサリン妃は公の場に姿を見せていない。米セレブニュースサイトTMZは3月4日、実母の運転する車で移動するキャサリン妃の写真をそれ以来初めて公開した。

■キャサリン妃の健康状態を巡る憶測

最愛の母、ダイアナ元皇太子妃の悲劇を目の当たりにしたウィリアム皇太子の秘密主義と情報管理は逆にキャサリン妃の健康状態を巡る憶測を増幅させた。「母の日」の写真にはこうした憶測を一掃する願いが込められていた。

しかしBBCは、キャサリン妃の写真が 「加工」されているとの懸念からフォトエージェンシー4社が写真を撤回したという衝撃的なニュースを報じた。米AP通信は「シャーロット王女の左手の位置が一致していない」と指摘、配信基準を「満たしていない」と取り消した。

さらにロイター通信とAFP通信、ゲッティイメージズが配信を撤回した。ロイヤルカップルが家族の特別な日の写真を公開するのは恒例となっており、これまで多くの場合、キャサリン妃が撮影した写真がメディアを通じて公開されてきた。

■王室が“フェイク写真”を公開していたとしたら

人工知能(AI)を搭載した最新のスマートフォンを使えば写真はいくらでも簡単に加工できる。AP通信は 「精査したところ提供者は画像を加工している可能性がある。代わりの写真は送らない」と「kill notification(業界用語で撤回を意味する)」を出した。

チャールズ国王が責任を負うバッキンガム宮殿ではなく、ウィリアム皇太子のケンジントン宮殿の問題とは言え、英王室が“フェイク写真”を世界に公開していたとしたら…。王室発表はタブロイド(英大衆紙)のデッチ上げ記事並みに扱われる恐れがある。

英大衆紙デーリー・メール(11日付)は「素人のソーシャルメディア探偵団が見つけた最も一般的な編集ミスはキャサリン妃の結婚指輪がないこと、洋服のファスナーがずれていること、シャーロットのスカートがぼやけていることや袖が一部欠けていることだった」と解説している。

■沈黙する王室

「キャサリン妃が撮影したとされるこの写真はケンジントン宮殿の公式ソーシャルメディア・チャンネルにアップされたままであり、宮殿はこの写真に寄せられた懸念についてまだコメントしていない」(デーリー・メール紙)

明らかな写真の編集ミスについて王室が説明しないため、キャサリン妃の健康状態に関する陰謀説がさらに駆け巡っている。王室コメンテーター、ピーター・ハント氏(元BBC王室担当記者)は同紙にこう語る。

「王室にとって大きなダメージだ。王室はキャサリン妃のどの写真を公開しても強い関心が寄せられることを知っていたはずだ。次に健康上の最新情報を発表する時、人々は疑問を抱くようになる」

キャサリン妃は11日「多くのアマチュア写真家がそうであるように、私も時折編集を試みることがあります。昨日公開した家族写真が混乱を招いたことをお詫びします。母の日を迎えられた皆様が幸せであることを願っています」とXに投稿した。

しかし悪いニュースを徹底的に隠そうとするウィリアム皇太子の体質が逆に陰謀説を生む空白をつくっている。秘密主義が裏目に出たとは言えないだろうか。

在英国際ジャーナリスト

在ロンドン国際ジャーナリスト(元産経新聞ロンドン支局長)。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。masakimu50@gmail.com

木村正人の最近の記事