Yahoo!ニュース

悪いニュース続きの英王室 チャールズ国王が「がん」診断を公表

木村正人在英国際ジャーナリスト
1月29日、カミラ王妃に伴われてロンドンの病院を退院するチャールズ国王(写真:ロイター/アフロ)

[ロンドン発]英王室(バッキンガム宮殿)は2月5日「チャールズ国王(75)が良性の前立腺肥大症で最近入院された際、別の懸念事項が指摘された。その後の検査の結果、がんの一種であることが判明した」と発表した。

英BBC放送によると、英国では1日に1000人ががんと診断されている。新しいがんの3分の1以上が75歳以上で見つかっている。

チャールズ国王は先月26日にロンドンの病院に入院し、前立腺肥大症の治療を受けたばかり。この際、カミラ王妃はチャールズ国王について「彼は元気です。ありがとう」と話した。チャールズ国王は3日後に退院した。

日曜日の2月4日朝、チャールズ国王はノーフォーク州サンドリンガムにある教会にカミラ王妃とともに出席し、前立腺肥大症の治療後初めて公の場に姿を現していた。

リシ・スナク英首相はX(旧ツイッター)に「チャールズ国王の回復を心よりお祈りする」と投稿した。

第二次大戦以来、英国との「特別関係」を誇る米国のジョー・バイデン大統領もXに「妻のジルと私は英国国民とともにチャールズ国王の早く、完全な回復を祈っている」と書き込んだ。

バイデン氏のライバル、ドナルド・トランプ前米大統領もソーシャルメディアに「彼は大統領在任中に深く知ることができた素晴らしい人物だ。私たちは皆、チャールズ国王が早く完全に回復することを祈っている!」と投稿した。

英王室の声明によると、チャールズ国王は5日、定期的な治療を受け、医師からオープンな公務を延期するようアドバイスされた。チャールズ国王は首相引見などの国事行為や事務手続きを通常通り行うという。

チャールズ国王は治療に対して前向きに取り組んでおり、一日も早く公務に復帰することを望んでいる。憶測を避けるため、自身のがんを公表することを選択した。

チャールズ国王のがん公表は人々にがん検診を受けるよう促すため、英国王立医師会からがん検診の必要性を広くアピールしたと称賛された。

がんの種類はまだ明らかにされていないが、前立腺がんではないという。

次男のヘンリー公爵=王位継承順位5位=はチャールズ国王と話し、近日中に米国から英国に向かう。妻のメーガン夫人とアーチーちゃん=同6位=、リリベットちゃん=同7位=は米国に残る。

ヘンリー公爵の王室離脱でチャールズ国王との間に距離は生じたものの、昨年の75歳の誕生日にはヘンリー公爵がチャールズ国王に電話をかけるなど関係はある程度修復している。

今回、チャールズ国王は自らヘンリー公爵に連絡を取り、診断結果を伝えたという。

ウィリアム皇太子の責任は当然、重くなるが、妻のキャサリン皇太子妃も1月中旬に突然入院し、腹部の手術を受けたばかり。2〜3カ月の療養生活を送る予定だ。

ヘンリー公爵とメーガン夫人の王室離脱以来、アンドルー王子=同8位=の未成年者性的搾取疑惑、エリザベス女王の死去、キャサリン皇太子妃の腹部手術、チャールズ国王のがん診断と悪いニュースが続いている。

在英国際ジャーナリスト

在ロンドン国際ジャーナリスト(元産経新聞ロンドン支局長)。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。masakimu50@gmail.com

木村正人の最近の記事