アメリカの独立記念日に発射された北朝鮮の大陸間弾道ミサイル

北朝鮮が弾道ミサイル発射 ICBM発射実験に成功と発表(写真:ロイター/アフロ)

防衛省の発表によると、北朝鮮は7月4日午前9時40分ごろ、西岸の亀城(クソン)付近から弾道ミサイルを東方向に発射しました。この弾道ミサイルは約40分間、約900キロメートル飛んで日本の排他的経済水域(EEZ)内の日本海に落下しましたが、到達高度は2500キロメートルを大きく超えたとみられています。

一方、北朝鮮の国営放送、朝鮮中央テレビ(KCTV)によると、高度は2802キロメートルに達し、39分間にわたって933キロメートル飛んだそうです。初の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」発射実験は成功したと大喜びですが、アメリカやロシアは「中距離弾道ミサイルだ」と一蹴しています。

ICBMかどうかは別にして5月14日に発射した新型の弾道ミサイル「火星12」(KN-17)の到達高度2000キロメートルをはるかに上回っています。

「火星14」がわざと高い軌道に乗せる「ロフテッド軌道」ではなく、普通の「スタンダード軌道」で発射されていたら6700キロメートルは飛翔してアメリカ本土のアラスカ州に到達していたそうです(グローバル・セキュリティー・プログラム副所長デービッド・ライト)。

「火星14」は「火星12」の改良型との見方もあります。

今年に入って11回目のミサイル発射実験。北朝鮮は昨年、核実験2回、20発以上の弾道ミサイル発射実験を行っています。

東京都議選の応援演説で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と発言して大炎上した防衛相の稲田朋美は「20カ国・地域(G20)首脳会議の直前でもあり、今日は米国の独立記念日でもある。様々な要因が考えられるが、断固として許しがたい」と述べました。

5月14日の火星12について、韓国国防省は射程4500~5000キロメートルの中距離弾道弾ミサイルとの見方を示しています。4月15日に平壌で開かれた軍事パレードでお披露目されました。大気圏再突入技術が完成したかどうかはまだ分からないそうです。

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北朝鮮のICBM開発は固定式のテポドン2(射程1万キロメートル以上)より、発射台付き車両(TEL)で移動できるKN-08(同1万1500キロメートル)、KN-14(同1万キロメートル)が主流になっています。

「火星14」はKN-08を強化したKN-14ではないかという見方もあります。KN-14は2015年10月、平壌での軍事パレードに登場しました。

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KN-14が完成すればアメリカのシカゴやカナダのトロントに到達します。重い核弾頭を搭載するICBMの発射は衛星の打ち上げほど簡単ではありません。再突入ロケット本体の実射テストも行う必要があります。

しかし「火星14」の飛翔データを見ると、今後4年以内に北朝鮮は核弾頭を搭載したICBMでアメリカ本土を攻撃できる能力を身につけるのはほぼ確実と言えるでしょう。

北朝鮮のICBM発射実験を止められなかったアメリカの大統領ドナルド・トランプはツイートでこうボヤいています。

「北朝鮮がまたミサイルを発射した。こいつ(金正恩)はもっとマシなことができないのか? 韓国や日本がいつまでも我慢できるとは信じがたい。おそらく中国が北朝鮮に圧力をかけて、これを最後にこんな無意味なことを終わらせるだろう」

北朝鮮の核・ミサイル開発は中国の協力なしに止めることはできません。前大統領バラク・オバマからトランプになって対中国圧力は増しましたが、北朝鮮の核・ミサイル開発が止まる気配は一向に見えません。トランプの無意味な「ぼやきツイート」も続きそうです。

(おわり)