Yahoo!ニュース

【英総選挙】明日のサッチャーが続々誕生

木村正人在英国際ジャーナリスト

保守党が予想外の過半数を獲得し、キャメロン首相が単独で第2次政権のスタートを切った。女性閣僚の数がなんと5人から7人に増えた。閣議に参加できるメンバーを加えると計10人だ。

筆者作成
筆者作成

キャメロン首相は3期を目指さないことを表明している。首相の右腕、オズボーン財務相と並んで後継者レースの先頭に立つメイ内相は「第2のサッチャー」の呼び声が高い。

才色兼備というか、かなりイケてる女性がそろっている。メイ内相は、キャメロン首相の側近、ゴーブ司法相が教育相時代に論争になり、一発で撃沈して周囲をうならせた。

英国では女性議員と言えばこれまで労働党のイメージが強かった。しかし、保守党も負けじと頑張っている。女性党首も多い。

スコットランドで台風のような凄まじさを見せつけた地域政党・スコットランド民族党(SNP)のスタージョン党首。地域政党・ウェールズ民族党のウッド党首。緑の党のベネット党首。

閣僚や党首などの注目度が高いポジションを女性が占めるのは影響が大きい。

今回、英国の総選挙はSNPや、欧州連合(EU)からの離脱を訴える英国独立党(UKIP)にスポットライトが当たったが、女性の候補者が史上初めて1千人を突破した。

同

女性の下院議員の数も史上最高の191人に。

同

女性議員が占める割合も30%を超える日はすぐそこに近づいて来た。

同

世界経済フォーラムの「グローバル・ジェンダー・ギャップ・インデックス2014」によると、議会の女性議員の割合について英国は23%で63位。今回、29%まで上昇した。日本は8%(現在は9.4%)で126位。

女性閣僚も英国は16%で75位だったが、今回、閣議参加者も含めると33.3%まで改善している。日本は11%(同21%)で98位。

同

とりわけ日本は女性の政治参加が遅れている。政治が率先して女性登用を進めていかないと、男女の機会均等は容易には進まない。

(おわり)

在英国際ジャーナリスト

在ロンドン国際ジャーナリスト(元産経新聞ロンドン支局長)。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。masakimu50@gmail.com

木村正人の最近の記事