世界のリッチ市場に「日本ブランド」売り込もう 桜のネックレス3888万円也

パリで2年に1度開かれるアンティーク・ビエンナーレで香港の宝石デザイナー、ウォーレス・チャン氏の作品が話題を集めている。

英誌エコノミストは「アジアの星」として、宝石の中に人間の顔を刻み込む「ウォーレス・カット」を紹介。米紙ニューヨーク・タイムズも取り上げた。

これがウォーレス・カット(チャン氏のHPより)
これがウォーレス・カット(チャン氏のHPより)

チャン氏がアンティーク・ビエンナーレに招かれるのはこれで2回目。蝶やトンボ、魚、虫、龍を形どった作品群は幻想的だ。

チャン氏の作品は直接、宝飾品の収集家に売却されることが多く、滅多にオークションには出品されない。2012年にチャン氏のイヤリングが香港のクリスティーズで55万5千ドル(約5950万円)で落札され、話題になった。

ロンドンの株式市場ではダイヤモンド採鉱会社の株価が今年に入って36~52%も上昇。

ダイヤモンドの採鉱から加工、卸売まで手掛ける南アフリカのデビアスの営業利益は昨年、前年比で112%も増え、10億ドルに。生産量も12%上昇し、3120万カラットに達した。

10月7日に香港のサザビーズで8.41カラットのピンク・ダイヤモンドが競売にかけられ、1280万~1540万ドル(13億7200万~16億5千万円)の値がつくと予想されている。

香港のサザビーズでは昨年、118.28カラットのホワイト・ダイヤモンドが3060万ドル(約32億8千万円)で落札された。

金の装身具の売り上げは昨年、世界で20%も増えた。中国など新興国の台頭で、アジアを中心に宝飾品の需要が増している。希少価値が高い作品が求められている。

このほどロンドンで開かれた宝飾品の国際見本市(IJL)に出品した日本の宝飾品ブランドOKURADOの大倉仁社長(52)に話をおうかがいする機会があった。

3888万円の桜のネックレス(筆者撮影)
3888万円の桜のネックレス(筆者撮影)
サンゴを使った「白椿」(OKURADOのパンフレットより)
サンゴを使った「白椿」(OKURADOのパンフレットより)

大倉さんは日本の自然をモチーフに宝飾品をデザインしている。ダイヤモンドを散りばめた桜のネックレスは3888万円というお値段。サンゴを加工した白椿は1080万円。

日本ではマンション1戸が購入できてしまう価格だが、世界のリッチ市場ではそれほど驚く価格ではないのかもしれない。「日本の美しい自然の形や色をずっと心にとどめていたい。そんな思いを美しい石に込めました」と大倉さん。

今月半ばから香港のジュエリーショーに出品するという。すっかりデフレが身について内向きになってしまった日本。発想を切り換えて、ど~んと世界にチャレンジしていこう。

世界市場に打って出る大倉さん(筆者撮影)
世界市場に打って出る大倉さん(筆者撮影)

(おわり)