中国「太子党」ら、海外蓄財400兆円は氷山の一角だ!

中国の習近平国家主席が反腐敗対策を宣言する一方で、当の習主席、温家宝前首相、李鵬元首相ら中国共産党や中国人民解放軍幹部のファミリーが海外のタックスヘイブン(租税回避地)に蓄財している一端が、国際調査報道協会(ICIJ)のジェームズ・ボール記者と英紙ガーディアンの報道で明らかになった。

これまで告発サイト「ウィキリークス」に流出したイラク・アフガニスタン駐留米軍の機密文書、米外交公電、米中央情報局(CIA)元職員スノーデン容疑者が暴露した米国家安全保障局(NSA)の情報活動の実態を連続スクープしたガーディアン紙だけに、中国共産党、中国人民解放軍幹部ファミリーの蓄財をどこまで暴けるか、注目される。

ICIJのボール記者らはタックスヘイブンとして有名なカリブ海の英領バージン諸島の2社から200ギガバイト以上のデータを入手、約2年にわたって分析し、裏付け取材を進めてきたという。

第一報で名前が挙げられているのは習、温、李3氏のほか胡錦濤前国家主席、トウ小平、中国人民解放軍創設者の1人、葉剣英、同大将の粟裕、戴相竜・元中国人民銀行総裁、「八大元老」の1人に数えられた王震、彭真・元全国人民代表大会常務委員会委員長のファミリー計13人。

国際会計事務所プライスウォーターハウスクーパース、スイス銀行大手クレディ・スイス、UBSなど欧米の銀行や会計事務所がバージン諸島での会社設立を仲介していたという。

中国と香港の2万1千人以上が海外会社のオーナーや株主になっており、2000年以降、1兆~4兆ドル(約104兆~約417兆円)の隠し資産が中国から流出したとボール記者は指摘している。

12年、米紙ニューヨーク・タイムズは、温前首相のファミリーが27億ドルを超える資産を保有していると報道。温前首相の妻は「ダイヤモンドの女王」と呼ばれ、実弟は不動産・医療廃棄物処理などを手がける実業家、長男の温雲松氏は大手保険会社の大株主で、天津市の土地開発に関与する資産家という内容だった。

温前首相は報道内容を否定している。

温雲松氏は今回の報道でも名前が挙がっている。ニューヨーク・タイムズ紙が温ファミリーの蓄財を取材していた最終段階から同紙にはハッカーによるサイバー攻撃がかけられたという。ガーディアン紙でも今月7日以降、中国で同紙ウェブサイトの閲覧が一部遮断されるトラブルが発生していた。同紙は「理由は不明だ」と説明していた。

反腐敗対策に力を入れる習主席は中国最高指導者の共産党総書記に就任するとともに、中堅クラスの中国共産党幹部十数人を一斉摘発。「指導幹部の規律違反や違法行為を断固として処罰する」と宣言した。

しかし、国際人権団体アムネスティー・インターナショナルによると、習主席の言葉とは正反対に、昨年7月、「新しい市民運動」を呼びかけた活動家Xu Zhiyong氏を拘束。同氏はその2カ月前に、中国当局の透明性と腐敗の解明を求める記事を発表していた。

アムネスティー・インターナショナルは21日、「Zhiyong氏は良心の囚人と考えている。即時、釈放を求める」と表明した。

中国では高度経済成長とともに貧富の差も拡大。100人の富豪が3000億ドルの資産を独占する一方で、推定3億人が毎日2ドル未満の生活を強いられている。ボール記者らが入手したデータでも、16人の資産を合わせた金額は450億ドルにのぼっていたという。

たった2社のデータでこの数字である。しかも、タックスヘイブンはバージン諸島だけではない。タックスヘイブンを使う目的は租税回避、不正蓄財、国内資産の海外移転などが考えられる。中国共産党、中国人民解放軍幹部ファミリーによる海外蓄財は一体どれぐらいの規模に及ぶのか、想像もつかない。

(おわり)