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韓国勢が席巻中の女子ゴルフ世界ランキング。再稼働でイ・ボミら韓国勢の順位はどうなった?

金明昱スポーツライター
今季韓国で2勝のパク・ヒョンギョンは世界94位から30位に(写真・KLPGA)

 凍結していた女子世界ランキング(ロレックスランキング)が、ようやく再開することが決まった。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、世界のゴルフツアーの中止が続くなか、5月14日から韓国女子ツアーが再開し、ここまで8試合を消化した。

 日本女子ツアーも6月に「アース・モンダミンカップ」の1試合を開催。韓国の7試合と日本の1試合を反映したランキングが発表された。

 世界ランキングは1年後に延期となった東京五輪出場にも関係しているだけに、順位の変動は選手にとってもかなり気がかりなところでもある。

 日本ツアーは1試合分の結果がランキングに反映されただけなので、それほど大きな順位の変動はなかったが、韓国ツアーは7試合分のポイントが世界ランキングに反映されているため、大きく順位を上げた選手が多い。

 中でも大幅にジャンプアップしたのが、今季の韓国ツアーで2勝したパク・ヒョンギョンだ。

 彼女は3月まで世界ランキング94位だったが、7月20日付の発表では30位まで大きく順位を上げた。

 2000年1月生まれ、20歳のパクは、コロナ禍の中で開幕した国内メジャーの「KLPGAチャンピオンシップ」(5月14~17日)でツアー初優勝。「ISドンソ釜山オープン」でもプレーオフを制して2勝目をマーク。

 日本の安田祐香、古江彩佳、吉田優利ら“プラチナ世代”と同世代で、いずれ世界ランキング上位へ駆けあがってくる選手の一人だろう。

韓国勢は東京五輪出場権の争いがより過酷に

 また、米ツアーを主戦場にしているキム・ヒョージュも3月時点では世界13位だったが、10位まで順位を上げた。

 キムはコロナ禍で一時帰国中で、ここまで6試合に出場。所属先のロッテがスポンサーの「ロッテカンタータ女子オープン」(6月4~7日)で優勝した。

 さらに国内メジャーの「起亜自動車 第34回韓国女子オープン」(6月18~21日)でも2位と好成績を残し、4年5カ月ぶりに世界トップ10入りを果たしている。

 韓国選手の順位を上位から見ると、世界1位のコ・ジンヨンとパク・ソンヒョンの3位に変動はなく、キム・セヨンが6位、キム・ヒョージュが10位、パク・インビが11位。

 また、イ・ジョンウン6が13位、今季の韓国女子オープンで優勝したユ・ソヨンがランキング凍結前の18位から順位を上げて、14位にランクインしている。

 15位以内に7人もの選手がランクインしており、来年開催の東京五輪出場権争いがより過熱するのは間違いない。

 ちなみに日本ツアーを主戦場にしながらも、韓国ツアーに出場していた主な選手たちの世界ランキングはこうだ。

 ペ・ソンウが33位、アン・ソンジュが67位、イ・ボミが138位、キム・ハヌル166位となっている。

 韓国女子ツアーはこのあともほぼ毎週のトーナメント開催を予定しており、次戦は7月31日から8月2日まで「済州サムダスマスターズ」に決まった。

 米国や日本ツアーよりも先の試合が決まっているため、好成績を残した韓国選手のランキングは自然と上がることになる。

 このままでは上位陣がほぼ韓国選手になるということも考えらなくないが、いずれにしてもランキングの変動に今後も注視していきたいところだ。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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