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イチローも脱帽!? 現役最年長45歳のバートロ・コロンが来季も現役続行へ

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
来シーズンも現役続行を表明した現役最年長45歳のバートロ・コロン投手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 すでにイチロー選手が来シーズンの現役続行を表明し、来年3月に日本で開催されるシーズン開幕戦で再びユニフォーム姿を見られるのが濃厚になっている中、同じ1973年生まれでイチロー選手より5ヶ月早く生まれている、現在MLB現役最年長のバートロ・コロン投手も同様に、現役を続ける意志を明らかにしたようだ。

 米スポーツ専門サイト『Fancred』のジョン・ヘイマン記者が、以下のようなツイートを投稿している。

 コロン投手といえば、昨年本欄でも紹介しているように、亡き母と交わした約束を果たすため、45歳まで現役を続けることに強い意志を示していた。昨シーズンは半ばでブレーブスを解雇され現役続行が危ぶまれることもあったが、その後ツインズと契約しシーズンを無事に終えることに成功している。

 そして45歳で迎えた今シーズンはレンジャーズとマイナー契約を結ぶと開幕メジャー入りを果たし、28試合(うち24試合先発)に登板し、7勝12敗、防御率5.78を記録し、亡母との約束を見事に果たした。またシーズン途中には、通算勝利数で245勝のデニス・マルティネス投手を抜き去り、20年ぶりにラテン系選手の最多勝記録を塗り替える金字塔も打ち立てている。

 残念ながらヘイマン記者のツイートからでは、すでに自身の目標を達成できたコロン投手がなぜ現役を続ける気になったのか、その理由は明らかにされていない。だが22年目のMLB挑戦を目指す気持ちになってくれたことは、嬉しい意味での“予想外れ”といっていいだろう。

 ただ現時点でコロン投手が、再びMLBのマウンドに戻れる保証は何一つない。イチロー選手の場合マリナーズが全面バックアップの姿勢を見せているが、コロン投手の身分は完全なFA選手だ。オフの間に契約してくれるチームを探さなければならない。しかも2016年に在籍していたメッツで記録した15勝8敗、防御率3.43を境に、ここ2年間は決して周囲を満足させられるような成績を残せておらず、簡単にチームが見つかるような状況ではない。

 もちろん彼の十二分すぎる実績を考えれば、いきなりのメジャー契約は難しいながらも、スプリングトレーニングの招待選手としてマイナー契約を提示してくれるチームが現れる可能性は十分にあると思う。それでもオープン戦の投球内容次第では、開幕メジャー入りできないかもしれない。その場合シーズン開幕直後に46歳になるコロン投手は、マイナーリーグで投げながらメジャー昇格を待つ気持ちはあるのか、それとも引退を選ぶのか…。

 現時点ではあまりに未確定要素が多い状況だが、とりあえず来年のスプリングトレーニングの楽しみがまた1つ増えたことだけは確かだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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