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スタントンに続きサンチェスも復活!本領発揮し始めたヤンキース重量打線に期待される記録の数々

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
マルチ本塁打のMLB最速記録を塗り替えたゲーリー・サンチェス選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ヤンキースのゲーリー・サンチェス選手が24日のツインズ戦でマルチ本塁打を放ち、チームの4連勝に大きく貢献した。

 サンチェス選手にとって自身9度目のマルチ本塁打試合となったが、MLBデビューから196試合目の達成はMLB最速記録を更新するという快挙らしい。この日の試合前まで打率.192と低調だったサンチェス選手だけに、これを機に本来の打撃復活に期待がかかるところだろう。

 つい先日も本欄で、地元ヤンキースタジアムで打撃不振が続いていたジャンカルロ・スタントン選手を取り上げたばかりだが、こちらも打順変更後は本拠地6試合で23打数6安打(.261)、2本塁打、4打点と復調傾向にあり、ここまで好調のアーロン・ジャッジ選手、ディディ・グレゴリウス選手も加え、いよいよヤンキース自慢の重量打線が本領を発揮し始めようとしている。

 今シーズンのヤンキース打線にはシーズン開幕から様々な記録の期待がかかっていた。まずその代表的なものが、スタントン選手とジャッジ選手による“50本塁打コンビ”の誕生だ。もし実現するならば、1961年に同じヤンキースでミッキー・マントル選手とロジャー・マリス選手が達成して以来の快挙となる。

 もしそこにサンチェス選手が自身初の40本塁打を記録するようなことになれば、MLB史上4度目の“40本塁打トリオ”が誕生することも可能になってくるし、さらにグレゴリウス選手が30本塁打を打つようなことになれば、史上13度目の“30本塁打カルテット”の誕生も決して夢ではないのだ。

 もちろん各選手が本塁打を量産するようなことになれば、チームとしての本塁打記録更新の可能性も高くなってくる。ちなみにチーム別のシーズン最多本塁打数記録は、1997年のマリナーズが樹立した264本だ。当時のマリナーズはケン・グリフィー選手の56本塁打を筆頭に、スタメン9選手がすべて2桁本塁打を記録するという破壊力満点の重量打線だったが、今シーズンのヤンキース打線も決して引けをとらない重厚さを誇っている。

 米国ではヤンキース打線を形容して「Bronx Bombers(ブロンクス爆撃隊)」という表現を使う。果たして今シーズンのヤンキース打線は相手チームにどれだけの本塁打という集中砲火を浴びせることになるのだろうか。スタントン選手とサンチェス選手の復活で、興味は増すばかりだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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