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NFLジャガーズの選手全員が国歌斉唱前にひざまずくことを発表

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
1日の試合に選手全員でひざまずくことを決めたジャクソンビル・ジャガーズ(写真:ロイター/アフロ)

 NFLのジャクソンビル・ジャガーズが現地30日、ツイッター上にメッセージを投稿した。

 

 そこには「選手からのメッセージ」というタイトルの声明が添付されており、1日のジェッツ戦で国歌斉唱の前に選手全員がひざまずくことが明らかにされている。これまでひざまずく行為は各選手の裁量に任されていたが、チーム全員で行うのはジャガーズが初めてとなる。

 先月22日にドナルド・トランプ大統領が、国歌斉唱時にひざまずいたNFL選手を侮蔑する演説をしたことで、リーグ内に批判が高まり、大統領に対する抗議活動が一気に拡大していった。しかしその一方で、国歌斉唱時にひざまずく行為は国や国歌を侮辱するものだとして、軍人、退役軍人やその家族を中心にNFLへの批判も沸き上がっていた。

 ジャガーズは先月24日の公式戦がロンドンでの開催だったため、今度のジェッツ戦がチームにとって騒動後初めての国内試合となる。その試合を前にチーム内で話し合った結果、選手全員でひざまずくことを決めたようだ。

 声明によると、国旗、国歌のみならず軍、そのコミュニティに対する敬意を表明する一方で、「我々はポジティブな変化を目指し、チームが一つになってジャクソンビルを代表することに栄誉を感じながら勝利を目指したい。その精神を胸にジャクソンビル・ジャガーズの我々全員が、アメリカを母国と呼ぶすべての人たちに平等と変化がやって来ることを祈りながら、試合前の国歌斉唱の前にひざまずくだろう」としている。

 果たしてジャガーズの決断はNFLのみならず米国社会からどのように受け取られるのだろうか?

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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