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パドレスのマイヤーズが1イニング3盗塁に成功

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
16日のフィリーズ戦で1イニング3盗塁を達成したパドレスのウィル・マイヤーズ選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 パドレスのウィル・マイヤーズ選手が16日のフィリーズ戦で、最近では珍しい記録を達成した。

 4回裏2死二塁で打席に立ったマイヤーズ選手。左翼線近くにライナー性の打球を放ち先制点を叩き出すと、ここからマイヤーズ選手の“一人舞台”が始まった。なんと続けざまに「二盗→三盗→本盗」を決め、自らの足だけで追加点を挙げることに成功。3-0のチームの勝利に大いに貢献したのだ。

 この1ニング3盗塁のシーンは、パドレスの公式アカウントがツイートしている。

 「ここ最近盗塁してなかったからね。1ニングに3回決められるなんて嬉しいね。(ダブルスティールからの本盗は)ちょっとスタートに失敗したんだけど、幸運にも上手くスライディングできてベースにタッチすることができたよ」

 試合後ヒーローインタビューに立ったマイヤーズ選手は上機嫌で話した。だが元々マイヤーズ選手は、盗塁を武器にしている選手ではなかった。2013年にMLBデビューを飾ってからレイズ、パドレスで控え選手だった3年間の盗塁数は計16に留まっていたくらいだ。しかし正一塁手として主力扱いになった昨シーズンは、ナ・リーグ10位に入る28盗塁を記録し、“快足ぶり”をアピールしている。

 2ヶ月前にMLB公式サイトが発表した「ポジション別走塁速度ランキング」についてまとめた記事を公開しているが、なんとマイヤーズ選手は一塁手で堂々の1位にランキングしているのだ。

 1ニング3盗塁は最近ではかなり珍しい記録になっている。MLB公式サイトによると、今回の達成は、2011年7月11日にディー・ゴードン選手(当時ドジャース)以来だという。また21世紀に入ってからも3人目の快挙(もう1人はジェイソン・ワース選手)だという。

 ただ20世紀初期の頃は数多く達成されており、タイ・カップ選手とホーナス・ワグナー選手は計4度達成しているようだ。それでも今回のマイヤーズ選手でMLB史上たった54度目の出来事でしかない。間違いなくマイヤーズ選手は歴史に名を刻むことに成功した。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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