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レッドソックス指揮官の息子がメジャー初昇格!1日に先発デビューへ

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
ロイヤルズから息子ルークの先発デビューの連絡を受けたレッドソックスのファレル監督(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

ロイヤルズのネッド・ヨースト監督が30日の囲み会見で、1日に行われるダブルヘッダーの1つでルーク・ファレル投手を3Aから昇格させ、先発させることを明らかにした。

ファレル投手はノースウェスタン大出身の26歳で、2013年にロイヤルズから6巡目でドラフト指名された(MLBの場合毎年約40人を指名)身長198センチを駆使した右腕投手だ。プロ5年目の今年は初めて招待選手としてメジャー・キャンプにも参加し、シーズン開幕後は3Aオマハで14試合(うち13試合先発)に登板し、7勝3敗、防御率3.83を残していた。

このファレル投手は、レッドソックスのジョン・ファレル監督の3人息子の末っ子としても知られている存在だ。実は長男ジェレミー(内野手)、次男シェーン(投手)もプロの道へ進んでいるのだが、次男はすでに引退し、長男も未だメジャー昇格を果たしていない。今夏会いの末っ子ルークの初昇格は、ファレル監督にとっても待ちに待った瞬間だったはずだ。

そんなファレル監督の思いを忖度したのか、ヨースト監督はファレル投手にメジャー昇格を伝える前に、父のファレル監督の方に先にテキスト・メッセージを送っていたらしい。地元紙の記事によると、ヨースト監督は「(ファレル監督は)興奮していたよ。父親に(昇格を)告げるのはいつだって素晴らしい瞬間だ。本当に喜んでいた」と嬉しそうに説明している。

早速30日にメジャーに合流したファレル投手は、嬉しそうに抱負を語っている。

「まさに夢が叶った瞬間だ。試合を重ねながら成長を続け、徐々に(昇格に)近づいてきていた。そしてこうして辿り着けたのは、本当に格別だ。しっかり自分のルーティンをしながら落ち着いて、自分がやるべきことを考えながら試合に備えたい。とにかくストライクゾーンを目指しどんどんストライクを投げていき、真っ直ぐを制御しながら打者に向かっていきたい」

ただ1つ気になるのが、MLB公式サイトでは、ファレル投手の昇格はあくまでダブルヘッダーによる緊急補強としての“26番目選手”扱いになり、先発後は再びマイナーに戻ると予想しているのだ。

ここまでロイヤルズの先発陣はジェイソン・バーガス投手を除き、決して盤石とはいえない状況だ。果たしてファレル投手はメジャー・デビュー戦で首脳陣にどこまでアピールできるのか、彼の右腕にすべてが託されている。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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