最低年俸は6000万円!知って得するMLB新統一労働協約

ロックアウトを回避し新統一労働協約合意に成功したマンフレッド・コミッショナー(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

MLBは2日、選手会との間で合意に達した新統一労働協約の全貌を明らかにした。

今後5年間(2012年12月1日まで)有効な同協約には、様々な条項が含まれている。ここでは専門的な内容は省くとして、MLBファンが知っておくと豆知識なるような条項を紹介したいと思う。

●試合日程

一部メディアによると、現在の162試合を減らす案も検討されていたようだが、今後5年間は変更無しになった。その代わり選手の負担を軽減するため、2018年シーズンからシーズン中のオフ日を4日追加し、187日間で162試合を行うことになった。

また移動日の負担を考慮し、試合後に遠征を控える試合の開始時間に制限を加える(ナイター試合の回避など)ことも決まった。

その他では、ワールドシリーズの第1戦開催権は、これまでのオールスター戦勝利リーグに与えられていたものを、今後は当該チームの勝率上位チームが獲得することになった。さらに故障者リストが15日間から10日間に短縮された。

●最低年俸

各シーズンによって最少年俸額は変動し、2017年は53万5000ドル(約6046万円)、2018年54万5000ドル、2019年55万5000ドルと、1万ドルずつ上昇する。2020年以降は国内消費動向を元に決定していく予定。

ちなみにMLB出場経験があるか、40人枠に1年以上入っているマイナーリーグ選手の最低年俸は、2018年が8万6500ドル(約977万円)、2019年8万8000ドル、2020年8万9500ドルとなっている。

●薬物検査

1年を通してランダムに検査を実施し、シーズン中は4800回(これまでは3200回)、オフシーズンは1550回(同350回)を行う予定。オフシーズンでも40人枠に入っている選手は最低でも1回は検査を受けることになる。

また血液検査も従来より増やし、シーズン中は500回(同260回)、オフシーズンは400回(同140回)を実施する。

薬物違反が見つかった選手は、1回目は処分がなく、2回目が50試合の出場停止、3回目が100試合、4回目が永久追放となる。ただ調停委員会により減刑できる可能性が残されている。

●国外試合

今後5年間にわたりMLB普及を目的に、メキシコ、アジア、プエルトリコ、ドミニカ、ロンドンに遠征を行う予定。残念ながらアジアに関しては具体的な国名は表記されていない。

ちなみに遠征に参加する選手は、遠征先や日程に応じて1万5000ドルから10万ドルのボーナスが支給される。

●クラブハウス

各チームは従来以上に、クラブハウス内に選手たちにとって利便性の高い食事やアメニティーを提供することになった。

例えば食事に関しては、各チームは専門シェフを加えた評議会を設置し、食事メニューの改善を目指していくことになった。

また各チームはスポーツ心理学者のクラブハウス入室を許可しなければならなくなり、MLBと選手会は選手やチームに推奨される栄養学やサプリメント情報を提供しなければならなくなった。

●オールスター・ゲーム

勝利チームの選手たちは、64万ドルの賞金を平等に分配され支給される。

両チームはそれぞれ野手20人、投手12人が選出される。またファン投票以外に存在していた監督推薦枠が廃止され、ナ・リーグ7人(うち投手4人)、ア・リーグ8人(同4人)をコミッショナー事務局が選出することになった。

●噛みタバコ

これまで試合中に噛みタバコを使用している選手が少なくなったが、今後はグラウンド上での使用が一切禁止されることになった。

あくまで一部を抜粋したものだが、最低年俸や国外試合開催等、興味深い内容もあったのではないだろうか。より身近にMLBを感じてもらえれば幸いだ。

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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