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夢フィールドから世界へ。パリ五輪代表に挑む”03ジャパン”のJリーガー9

河治良幸スポーツジャーナリスト
(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

先日のドバイカップで、非公式ながら国際大会で優勝を飾ったパリ五輪世代のUー21日本代表。時を同じくして千葉県のJFA夢フィールドでは来年のU−20W杯を目指す”03ジャパン”U−19の日本代表の合宿が行われました。

J3のSC相模原との練習試合では45分×2本で2−1と勝利。4ー3ー3でスタートしてうまくハマらなければ、自分たちで立ち位置を変えながら、必要に応じて冨樫剛一監督にシステム変更を提案するなど、自分たちの判断を主張していける選手たちが多いと感じます。

もっとも”03ジャパン”の世代からもチェイス・アンリ(尚志高)や松木玖生(FC東京)、甲田英將(名古屋グランパス)など、すでに大岩剛監督が率いるUー21日本代表に絡んでいます。

チームスタッフでもある富樫監督はパリ五輪と言わず、本気でカタールW杯を目指したい選手がいるのか、Uー21に絡めず悔しくないのかを選手たちに尋ねて、そうした意識を確認しているようです。

”03ジャパン”はウズベキスタンで行われるAFC U-20アジアカップからインドネシアでのU−20W杯を目指していきますが、合宿の参加メンバーからパリ五輪のチームに絡みうる注目のJリーガー9人をピックアップしました。

北野颯太(セレッソ大阪)

鋭い仕掛けと迷いないフィニッシュで、高校生ながら、セレッソでも存在感を高める。前線ならどこでもこなせるが、ストライカーが豊富な”03ジャパン”では左サイドが主戦場に。

北野颯太選手コメント「この年代で満足してはいけないので、パリ世代だからやっぱり東京オリンピックの悔しさは僕も覚えてるし、次は自分らの番だと思っている。もう1個上を目指していかないといけない。まずはパリオリンピックの代表に入らないとA代表も近づかない。パリオリンピックが近々の目標で、その先にA代表がある。まずはチームで結果残して、オリンピックのメンバーに入るようにしたいと思います」

田中隼人(柏レイソル)

抜群の守備センスで攻撃を跳ね返すだけでなく、ボールを奪って素早く味方につなぐ。競り合いに強いだけでなくヘディングの技術が高く、セットプレーの得点源にも。

福井太智(サガン鳥栖)

鳥栖のアカデミーが送り出した”03ジャパン”きってのプレーメーカー。攻守の局面で戦術的なビジョンが冴え渡る。2004年生まれなので、北野や内藤とともにU−17W杯の出場も可能だ。

永長鷹虎(川崎フロンターレ)

鋭利なカットインから「永長ゾーン」に入れば、左足で必殺のミドルシュートをファーサイドに突き刺す。憧れの存在としながらも”家長超え”を宣言。J1王者でそれを果たせれば一気にパリ五輪、いやA代表が見えてくる。

永長鷹虎選手コメント「自分の代表でも、飛び級で上がってる選手もいる。自分がもっと飛び級で活躍していきたい気持ちはあるんですけど、まずは同学年で飛び抜けてないとその舞台には立てないので。そう言う意味でワンゴール取れたのはよかった。もっとフロンターレでも絡んで目標を達成していきたい」

内藤大和(ヴァンフォーレ甲府)

名前の通り、左右の足から弾丸をゴールに突き刺す甲府の大砲。万能型FWであることを強みに、全てのシュートを決め切るストライカーになることで、強力なライバルに打ち勝つことを志す。

内藤大和選手コメント「僕は身長も180弱なので、大迫勇也選手みたいに収める能力はないかもしれないですけど、世界で戦えるために万能ストライカーになりたい。僕はFWなのでもっと決め切る。練習から全部決めれるぐらいの選手にならないと世界の舞台では活躍できない。練習から全部決めるストライカーになります」

千葉寛汰(清水エスパルス)

ストイックな松木玖生も実力を認める正真正銘のストライカー。素早い動き出しから抜群の身体能力とセンスを融合したフィニッシュで、ゴールを重ねるほど「チバカン」の名前が全国、アジア、世界に響き渡るはず。

工藤孝太(浦和レッズ)

パリ五輪世代でも貴重なセンターバック のレフティであり、左足から繰り出すフィードは絶品。守備センスも日に日に成長を見せる。過密日程になるACLは浦和でも序列を上げる大きなチャンスに。

中村仁郎(ガンバ大阪)

変幻自在のドリブルと絶妙なラストパスで攻撃を牽引する「ガンバのファンタジスタ」。左足の精度に絶対の自信を持ち、”03ジャパン”でセットプレーのキッカーも担う。

宇野禅斗(FC町田ゼルビア)

持ち前のボールを奪う能力とファイティングスピリットに戦術眼を加えて、パリ五輪世代でもっとも競争の厳しいボランチに挑む。青森山田の元同僚である松木玖生には剥き出しのライバル心も。

写真/河治良幸

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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