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東京五輪へサバイバルのU-24アルゼンチン戦、この代表選手たちを見逃すな!

河治良幸スポーツジャーナリスト

東京五輪に向けたU-24日本代表は東京スタジアムでアルゼンチン代表と対戦します。A代表クラスの選手が参加していないとはいえ、セリエAで活躍する大型FWガイチ(ベネヴェント)な有望なタレントを揃える金メダル候補に日本の若き代表はどこまで通用するのか。

29日に北九州でも同カードが予定されますが、まずは1試合目、注目選手を代表合宿の写真とともに紹介します。(筆者撮影)

スタメン

---------------------13田川亨介-------------------

--7三笘薫-------11久保建英----10三好康児--

------------3中山雄太----16渡辺皓太-----------

18旗手怜央--4板倉滉--5渡辺剛---6菅原由勢

-----------------------1大迫敬介-------------------

旗手怜央(川崎フロンターレ)

アタッカーが本職ながら、今シーズンは左サイドバックとして新境地を開拓。横内監督は自チームでのプレーをそのまま発揮してもらうために同ポジションで起用を示唆する。攻撃的な選手としては守備の強度が高く、後ろからゴール前に入り込んだときの迫力は抜群。「何もできなかった」と振り返るAFC U-23選手権から大きな成長を遂げて五輪チームのサバイバルに挑む。

相馬勇紀(名古屋グランパス)

高速サイドアタッカーとして、これまで五輪世代で注目されてきたが、オフには5キロの”ダイエット”、さらに1キロ減量されていると言い、ドリブルの推進力や動き出しのキレが間違いなく上がっている、ベンチスタートからでも攻撃に勢いをもたらす存在で、周囲とのコンビネーションからゴールやアシストも期待できる。3バックならウィングバックで出場の可能性も。

久保建英(ヘタフェ)

若くしてスペインの名門レアル・マドリーと長期契約し、昨シーズンのマジョルカからビジャレアル、そして現在はヘタフェで武者修行中。左足のテクニックと観察眼、アイデアに優れ、シュートのスキルはこのチームでも1、2を争う。2001年生まれで、パリ五輪にも出場資格はあるが、本来はA代表の常連メンバー。A代表ではサイドで起用されることも多いが、ユース年代からの本職であるトップ下のポジションから三笘薫、三好康児らと輝きを放つか。

三笘薫(川崎フロンターレ)

昨シーズンのJリーグで大ブレイク。五輪世代では3ー4ー2ー1の2シャドーがメインだが、4ー2ー3ー1が濃厚な今回は川崎と同じ左サイドで起用されそう。独特のリズムと緩急を持つドリブルからの研ぎ澄まされたシュートを武器とするが、スタメン出場が続く新シーズンはさらに仕掛ける状況判断に磨きをかけている。「自分がエース級とは思っていない」と謙虚に語るが、アルゼンチン戦で結果を残せば18人枠の生き残り、さらに主力も見えてくる。

板倉滉(フローニンゲン)

展開力と対人能力の両面に優れるタレントで、ボランチもこなせるが現在はセンターバックに定着。本来はA代表の有力候補だが、今回はU-24代表の主軸としてアルゼンチン戦に臨む。ここまでフローニンゲンで全試フル出場を果たしており、同僚になった元オランダ代表ロッベンからも、練習のマッチアップなどで多くのもの吸収している。アルゼンチンのアタッカーにもまず後手を踏まないはず。東京五輪の金メダルを目指すが、個人として大目標はA代表のレギュラー獲り。ここで無様な姿は見せられない。

田川亨介(FC東京)

鋭い飛び出しとポストプレーの両面で存在感を発揮できるハイスケールなストライカー。2019年のU−20W杯で負傷し、なかなかフィットネスに苦しむ時期が続いたが、今シーズンはフィジカル面で充実し、フィニッシュの意識もさらに高まっている。第一試合はホームの東京スタジアムが舞台。良い意味でもそんなに細かいことを考えないタイプだが、ネウソン・ペレスを擁する同世代の強豪を相手に勝負強さを発揮できるか。

三好康児(アントワープ)

五輪世代の新10番。2019年のコパ・アメリカではウルグアイを相手に大活躍。アントワープでは監督交代などで難しいシーズンを送っているが、個人能力を周囲にシンクロさせる能力に疑いの余地はない。久保建英、渡辺皓太、三笘薫らとのファンタスティックなコンビネーションが期待される。

渡辺皓太(横浜F・マリノス)

テクニックと攻撃のビジョンに疑いの余地はない。マリノスでは能力の高さを示すも、チームで中盤の主力に定着できない日々が続いた。昨年末の合宿ではトップ下を担ったが、今回の合宿ではボランチがメインに。田中駿汰(札幌)のアクシデントがスタメン起用につながったとも考えられるが、俊敏な動きと相手の虚を突くチャンスメイクで明確な結果につなげて本番へのアピールをしていきたい。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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