“森保ジャパン”が「初めてのグループ」で初練習。東京五輪へ最初の一歩

にこやかに選手へ指示を出す森保一監督(写真:川端暁彦。以下同じ)

監督・選手が緊張(?)の初対面

 東京五輪を目指すチームは「初めてのグループ」として活動をスタートさせた。何事においても「初めて」には緊張感が伴うものである。ましてや、お互いが「初めて」となれば、なおさらだ。

最初の練習は少々「緊張」も感じられる雰囲気も漂う中で行われた
最初の練習は少々「緊張」も感じられる雰囲気も漂う中で行われた

 12月6日、千葉県内で行われたU-20日本代表(すなわち、東京五輪代表)の練習は、まさに「初めて」のトレーニング。タイ遠征(M-150杯)の直前に一日だけセッティングされた練習は、森保一監督にとっても「初めて」であるし、選手たちにとっても同じこと。加えて、今回のメンバーは「初めて」代表に呼ばれたという選手も多く、まさに「初めてのグループ」(森保監督)。自然と大きな緊張感が生まれていた。

「硬さ、ありましたね」

 練習後、指揮官はそう言いつつ、笑顔を見せた。監督本人も「最初のミーティングで話し始めるまでは緊張していた」と言うのだから、選手側がそうしたリアクションになるのは無理もない。そもそも、そうした場慣れしていないような選手を、初めての招集機会で意図して多く選んでいるのだ。今回の招集は代表候補の「枠」自体を広げることに狙いがある。ウォーミングアップで、心理的なアイスブレイクを狙った、自然と笑いが起きるようなメニューを用意していたあたり、そうした反応になるのは予想の範囲内でもあったのだろう。

基本システムは広島式

 練習ではGKを交えたビルドアップを意識させるメニューなどをこなしつつ、最後はピッチを縦に圧縮した状態で11対11の紅白ゲームも実施した。どちらのチームでも採用されたシステムは[3-4-2-1]の形。森保監督が広島時代から「これまでずっとやってきた」やり方である。今後も継続してこのシステムを採用するかについては、実際に選手たちに合う・合わないを実戦の中で見極めていきたい意向のようだ。同時に「最終的には[4-4-2]でも[4-2-3-1]でも柔軟にやっていきたい」という複数のシステムを状況に応じて使い分けられるようなチームを理想として持っているようである。

 ミニゲームでの先発は、ビブスなし組がGKにオビ・パウエル・オビンナ(流通経済大)、3バックが右から立田悠悟(清水)、岡野洵(千葉)、麻田将吾(京都)。ボランチに井上潮音(東京V)と針谷岳晃(磐田)、右アウトサイドに岩田智輝(大分)、左に浦田樹(北九州)、シャドーに旗手怜央(順天堂大)と平戸太貴(町田)、最前線に小松蓮(産業能率大)という並び。ビブスあり組がGKに大迫敬介(広島ユース)、DFに庄司朋乃也(金沢)、松本泰志(広島)、大南拓磨(磐田)、ボランチに神谷優太(湘南)と渡辺皓太(東京V)、右に長沼洋一(山形)、左に菅大輝(札幌)、シャドーに宮崎幾笑(金沢)と三笘薫(筑波大)、FWに上田綺世(法政大)と入った。

練習から激しいプレーも飛び出す中で、選手たちは早速「代表」というグループの中での力を問われることとなった
練習から激しいプレーも飛び出す中で、選手たちは早速「代表」というグループの中での力を問われることとなった

 紅白ゲームのメンバー分けはどちらが主力という感じもなく、恐らくM-150杯の3カ国対抗のグループリーグ戦は第1戦と第2戦でターンオーバーする形になるのではないだろうか。長沼が見事なカットインシュートを突き刺すなど白熱したが、「合っていないところもあるし、慣れていないところもあった。もっとコミュニケーションを取らないと」と神谷が語ったように、あるいは初代表の上田が「もっと環境に馴染まないといけない」と振り返ったように、まだまだチグハグなプレーも観られた。もちろん「新しいグループ」+「新しいシステム」なのだから無理からぬところではあるし、指揮官は承知の上だろう。その上で「代表として大会に臨むのだから、結果にこだわる」と断言。最初のミーティングで選手たちにもその旨を伝えた上で「個人としても結果にこだわってやってほしいし、個の特長を思い切ってアピールしてほしい」と伝えた。

 このメンバーがそのまま再び集まるということはないだろう。代表のユニフォームを着ての国際大会として結果にこだわるのは当然として、個人として東京五輪を目指すラージグループに入っていけるかどうか。呼ばれた選手たちにとっては「初めてのグループ」の中でいきなり一選手としての実力と適応力の双方を試されることとなる。