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AFCU-19選手権が明日開幕。U-19日本代表・鈴木政一監督が「死のグループ」へ記者会見で意気込む

川端暁彦サッカーライター/編集者
大会への静かな決意を語るU-19日本代表・鈴木監督(右)

10月8日、ミャンマーの新都ネピドーにてAFC・U-19選手権のC・Dグループによる大会公式記者会見が行われた。同大会はネピドーと、旧都ヤンゴンの2カ所で開催されるため、公式記者会見も分催されることになったわけだ。

同大会で4大会ぶりのU-20W杯出場権を目指す日本は、グループCで中国、ベトナム、そして韓国と同居する史上屈指の難関ブロックに入っている。上位2カ国に入って準々決勝に進んでも、そこで待つのはイラクや北朝鮮といった強豪国で、楽な戦いにはなりそうにない。

会見に臨んだU-19日本代表・鈴木政一監督は「大会の重要性は、私も含めた日本サッカー協会として認識していますし、良いプレッシャーになっているかなと思います。このチームに関しては約2年やってきて、日本人の特長を生かしたサッカーをやり続けたことが、この大会でどこまで通じるのか楽しみです」と語り、「ベトナムとはもう3試合やっていて、選手の特長も分かっています。中国とは大会の予選で1度戦っている。韓国とは8月(のSBSカップ)にやっていますが、身体能力の高さをすごく感じています。ただ、相手チームというよりも自分たちのサッカーをできるかということだと思う」と意気込んだ。

一方、「死のグループ(グループ・オブ・デス)だと思うか?」という問いには、「まったくもって貴方の意見と同感です」と笑顔と共に応じた。韓国のキム・サンホ監督もまた、「とてもタフなグループだと思っている」と険しい表情で(この方は一貫して険しい表情を崩さなかったが)語った。

会見後、鈴木監督は「中国の監督が『日本の情報はない』なんて言っていたけれど、そんなわけはないよな」と、タヌキの化かし合いのような合同会見でのコメントに苦笑い。本番を前にプレッシャーを感じていることを率直に明かしつつも、「選手を楽な気持ちでプレーさせてあげて、アドバイスをあげるのが私の役目」と百戦錬磨の将らしい言葉で、静かに決意を語った。

会見後のフォトセッション。左から中国、ベトナム、韓国、日本の各監督
会見後のフォトセッション。左から中国、ベトナム、韓国、日本の各監督

大会は10月9日の中国戦を皮切りに、中1日でベトナム戦(11日)、韓国戦(13日)と続くタイトな日程で、東南アジア独特の酷暑と合わせて「本当にタフなスケジュール」(鈴木監督)となる。ついつい3大会連続して敗れている準々決勝(17日)に目がいきがちだが、まずはこの「死のグループ」を抜けること。それが4大会ぶりの「世界切符」を目指すU-19日本代表に課せられたファースト・ミッションとなる。

サッカーライター/編集者

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。2002年から育成年代を中心とした取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月をもって野に下り、フリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』を始め、『スポーツナビ』『サッカーキング』『サッカークリニック』『Footballista』『サッカー批評』『サッカーマガジン』『ゲキサカ』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。著書『2050年W杯日本代表優勝プラン』(ソルメディア)ほか。

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